私が弁護士になってから 第2話…平成28年3月号ニュースレター

      2017/11/15

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(前回までのあらすじ…私の弁護士としての初仕事の相手方は中坊公平率いる整理回収機構でした。)

平成12年当時,整理回収機構はマスコミに「正義の味方」として取り上げられており,法曹界においても正義を背負っていましたから,中坊公平の下には,優秀で高潔な弁護士が多数いました。ですから,整理回収機構と敵対して,すでに破綻したN銀行の役員側で裁判をたたかうのは,ものすごくしんどい仕事です。

私は,当時のボス弁の一人のO弁護士に

「君には期待しているから,こういう重大な事件をまかせるのだ。ワッハッハ」

と,期待をかけられ(だまされ),もう一人のボス弁T弁護士には

「きみならば,できる」

と説得され(だまされ),それを素直に信じて喜んで全力で事件に取り組んでいました。

今にして思えば,ボス弁は,こんな極めて難解でしんどい事件を自分ではやりたくなかったので,時間のある新人弁護士を,だまして押しつけたとしか思えません。

「若い」という字と「苦い」という字はよく似ている,とはよく言ったものです。(笑)

 

それから15年たって,今ボス弁となっている自分は,若い弁護士に事件をわたすときに,やはり,こう言ったりしているのです。

「君には期待しているから,こういう重大な事件をまかせるのだ。きみならば,できる」と……

 

さて,この大事件に取り組んだ私は,整理回収機構を相手とする裁判に出す書面をどう書けばいいのか悩んでいたのですが,ボス弁のT弁護士は,私に,ある秘策をさずけました。

それは……(つづく)

(交通事故の話)主婦の「休業損害」について

弁護士3交通事故で被害に遭った方は,加害者に対して「休業損害」を請求することができます。

休業損害とは,ケガの治療をするために,仕事を休んで病院に通院した場合,本来ならば仕事をして稼げたはずの収入が「もらえなかった」損害のことをいいます。

家庭の主婦が交通事故に遭って,ケガや通院のせいで家事ができなかった,という場合に,「休業損害」は請求できるでしょうか?

主婦の方が行う家事は,もし,これを他人にお願いした場合には,お金がかかるのが当たり前です。 そうだとすれば,会社員の仕事と同じように,「主婦」という職業の人が,「家事」という仕事ができなくなったことをもって,「損害」が発生したと考えるべきです。

主婦の方が交通事故の加害者に対して,主婦の家事労働分の休業損害を請求することができることは裁判所でも認められています。

 

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