私が弁護士になってから 第6話 「タイ支社長のK氏」…平成28年7月号ニュースレター

      2018/01/15

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(前号までのあらすじ 事務所の顧問先の海外子会社での不祥事事件の調査のためタイに派遣されました)

タイのドン・ムアン空港に降りたとき,タイ子会社の新社長である日本人のK氏(九州出身)が,お出迎えをしてくれました。

Kさんは,商社で長年勤めたあと,JICA(国政協力機構)に勤務し,その後,九州の地元企業の海外子会社社長として再就職をした人物です。

英語が上手で,とても雄弁な方です。

Kさんは,日本から,わざわざ弁護士が調査にくる,ということでしたので,私のことをとても気に入ってくれて,空港から子会社に向かう車の中で,今回の事件のことを詳しく説明してくれました。

この会社は東南アジアの数カ国に5つほど工場をもっていましたが,そのなかでタイ工場の収支の悪さが,前々から問題になっていたとのことでした。

そこで,社長を交代させて生産性を向上させるために,K氏が本社から送られたとのことでした。

K氏が前社長の残した帳簿を点検したところ,不可解なお金の流れが多かったとのことです。不審に思ったK氏が詳しく調査したところ,会社から,前社長の妻の口座に,多額のお金が入金されていたことがわかりました。「これは横領事件だ!」

と直感したK氏は,すぐにタイの警察に連絡をとり,警察と一緒に,前社長の自宅を急襲したとのことです。その際,K氏は,

「あんたの悪事は全部お見通しだ。さっさと両手を上げて,壁に手をつけ」

と,西部劇さながらの口上を述べたとのことです。

前社長の妻を逮捕できましたが,前社長自身は,そのとき,たまたま自宅に不在であり,そのまま,日本に逃げ帰ってしまったとのことでした。

なんだか,ハード・ボイルドの小説かテレビドラマの中の出来事のような話でした。

(つづく…)

後遺障害等級14級に認定される場合,されない場合

弁護士2後遺障害等級のうち一番低い14級の中に,「局部に神経症状を残すもの」(14級9号)というのがあります。

神経症状とは,主に,神経の圧迫によって,痛みや,しびれ,麻痺などの症状が発生している状態をいいます。よく具体例として挙げられるは,むち打ちです。

後遺障害と認定されるため,治療の段階から意識しておくとよいポイントがあります。

1,事故後,痛みを感じたらすぐに病院に行きましょう

事故発生から2週間を経過してから通院を始めると,事故とは別の原因でケガが発生したのではないか?と疑われてしまいます。痛みを感じたら,すぐに通院しましょう。「仕事が忙しい時期なので・・・」は理由になりません。治療開始が遅れると,14級の後遺障害と認定されない可能性が高くなってしまいます。

2,なるべく継続して通院しましょう

通院の間隔が広くなってしまうと,本当は後遺障害が治っているのではないか,と疑われてしまいます。週2,3回通院していれば,後遺障害認定がされやすい傾向があると言えます。

3,診察の際には,自分が現在感じている症状は全て伝えましょう

後遺障害は,症状が一貫・連続していることが必要です。そのため,きちんと,お医者さんに症状を伝えていないと,記録上症状に一貫性がないと疑われる可能性があります。また,「既に伝えてるから大丈夫。」ではなく,痛みを感じるうちは,都度伝えましょう。

4,症状は「常に」発生していることを医師に伝えましょう。

後遺障害は,常に発生している必要があります。一過性のものだと,今後回復すると考えられる可能性があるからです。

事故直後から,このような注意点を意識していれば,後遺障害認定で有利になります。ご本人やご家族が交通事故に遭った際には,すぐに,一度弁護士に相談して,アドバイスをもらいましょう。

 

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