「もめやすい相続①」「社員の飲酒運転」…平成28年12月号ニュースレター

      2018/03/27

roppou

法律実務上のポイント  第1話 「もめやすい相続①」

最近,遺産相続について裁判に持ち込まれるケースが増加しているとのことです。

もっとも,全ての相続が「もめる」わけではありません。円満に相続されるケースの方が,数としては圧倒的に多いのですが,弁護士の立場から見ると,「もめる相続」には,ある程度の共通点も見えてきます。

もめやすい相続のケース①

親が「相続のことは後継者(長男や次男など)にまかせる」として,何も対策をしなかった場合

親御さんは「自分の後継者は親の代わりに,他の兄弟に言うことを聞かせられるはず」と考えていることが多いのです。

ただ,実際には,他の兄弟にとっては「親は親だから言うことを聞くが,兄弟は親ではないから言うことは聞かない」ということが多いのです。

親御さんが亡くなると同時に,兄弟間の思いの違いが表面化することがよくあります。

昔と異なり,今は民法上でも学校教育においても,「長男」は,とくに優遇はされていませんので,「長男だから遺産を多くもらうのが当たり前」という考えは,全く通用しません。

では,どうするか,ということなのですが,やはり,親御さんが生前に遺言を残すか,あるいは,ご兄弟の前で「自宅は〇〇に残す」など,遺産の分け方について一言でも言っていれば,他の兄弟としては「親が言ったことだから」ということで,納得しやすいのです。

ところが,どうしても人間というものは,「自分だけは死なないと思っている」ものですから,「自分が死んだ後のことは考えたくないから考えない。後継者が好きにしてくれたらいい」というふうに考えて,結果的に何も対策をしない,ということが多いのです。

その場合,たとえば後継者(長男,次男など)は「遺産は当然全部自分がもらえる」と思い込み,一方で,他の兄弟は「遺産は当然平等に分けるでしょ?」と思い込んだままになっているケースがあります。

こういう「兄弟の間の思い違い」があるケースは,一番,もめやすいと言えます。

次号「もめやすい相続のケース②」に続く。

問題社員対策①「社員の飲酒運転」

弁護士2今回のテーマは,社員の飲酒運転です。年末は,お酒を飲む機会が多い季節ですが,飲酒運転は決して許されません。

もし,社員が飲酒運転をしてしまい,警察のお世話になった場合,企業としては,何もお咎めなしになってしまうと,その後の企業秩序に悪影響を及ぼす可能性がでてきますので,何らかの対応が必要です。

では、社員が飲酒運転などの犯罪行為をしたときに会社は何をすべきでしょうか。

仮に何らかの処分を行う場合,その処分理由を説明できる必要があります。そのためにも,事実の調査,事実の把握は,重要です。また,最終的に処分しなくとも,社員に「私生活でも何かあれば調査されて,処分されるかもしれない」という,良い意味での緊張感をあたえることができます。

まず社員から事情聴取を行うのが最初の行動です。可能な限り事実を具体的にかつ詳細に聞き取りを行ったうえで,これを報告書にまとめるのがよいと思います。

その後,きちんと事実を確認したうえで,社員の飲酒運転に対して,どのような対応をするか検討することになります。

検討方法としては,企業秩序への影響や,社員としての適格性の観点から,様々な事情を総合考慮することになります。

飲酒運転の場合,事業内容や社員の職務内容,飲酒運転による事故が発生していないか等,考慮して,会社の社会的評価を低下させるようなときには,重い処分を下すことも必要になるでしょう。

就業規則に「飲酒運転」を禁止行為としておくと,処分が正当化されやすいです。

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