法律実務上のポイント  第5話 「相続放棄の注意点」

      2018/08/01

yoshidabig

 

相続といえば預金や不動産のようなプラスの財産があるケースだけではありません。借金などマイナスの財産もまた相続されます。

相続人の立場からは、借金の相続に対して3つの対応があります。

一つ目は単純承認、二つ目は限定承認、三つ目は相続放棄、という対応です。

単純承認という対応は、「プラスの財産もマイナスの財産も含めて全て相続します」という対応です。世間一般で言う「相続」は、この単純承認のことをいいます。

限定承認とは「相続はするが、プラスの財産の範囲内だけでマイナスの財産を相続する」という制度です。

法律の教科書的には、このとおりの説明であり、これだけ聞くと「おお、良い制度ではないか」と思われる方が多いと思います。

ただ、吉田の経験上、限定承認が実際に使われているところを見たことがありません。

なぜ「限定承認」が実際には使われないのか、ということですが、

① 「限定承認」をおこなうためにはプラスの財産の目録とマイナスの財産の目録を作って裁判所に提出しないといけない。この目録作りが大変であること。

② 財産の目録に書いた以外の借金が発見された場合に法的問題が発生すること。

③ マイナスの財産が多いなら相続放棄をした方が早いし、確実であること。

という3点が主な原因だと思います。

setsumei

親が多くの借金を残して亡くなったような場合には、相続放棄の手続きが必要になります。相続放棄手続は、被相続人が死亡してから原則3か月以内におこなう必要があります。

迷っていたり、相続人間の意見の食い違いで、3か月があっという間に経過し、多額の借金を相続してしまうと悲惨です。相続放棄の手続をするならば、被相続人が死亡したら、すぐに行動するくらいで考えるべきです。

相続放棄の手続は被相続人の住所地の家庭裁判所でできます。

 

 - ニュースレター