法律実務上のポイント  第6話 「株式の相続の問題点」

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被相続人の方が生前にもっていた「株式」も相続財産になります。

ただ、この「株式」は、

「意外とやっかい」な相続財産といえます。

たとえば被相続人の銀行預金口座に半年に一回「トヨタ自動車」から株の配当金が入金されているとします。また、株主総会の通知が毎年郵送されているとします。

被相続人が取引をしていた証券会社がわかる場合ならば、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍、遺産分割協議書などの書類を全部出して相続関係を証明します。

取引をしていた証券会社が何社もある場合には、証券会社一社ごとに、全ての書類を出

すことになるので、戸籍謄本が何十通も必要になります。

hirameki

証券会社がわからない場合

「何十年も前からもっていた株式で、買った証券会社の名前が、家族の者にも分からない」

という株式も多いのが実情です。

証券会社の合併や支店の廃止などで、支店の場所が変わっていることもあります。そういう場合には、「ここかも?」と思う証券会社に手当たり次第に電話をして被相続人の名前を言って、生前に取引があったかどうかを確認したりします。本来,被相続人が取引をしていたかどうかは個人情報なのですが、こういう問い合わせもけっこう多いので、証券会社は対応してくれます。

それでもわからない場合には、証券会社が事務処理を委託している「証券代行」という会社に協力を依頼します。

三井住友信託銀行、または東京証券代行㈱が国内の主要な証券代行業者です。ただし本社が東京なので郵送での手続になるのがネックです。

「株式」の相続は、結構根気のいる作業なので、時間を要することもしばしばです。

 

この記事を書いた人

yoshida

香川県高松市の弁護士 吉田泰郎法律事務所です。JR高松駅徒歩5分。あなたが話しやすい弁護士をめざしています。

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