法律小話 「債権法改正と交通事故①-消滅時効」

      2018/10/15

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平成29年5月26日に,民法の一部を改正する法律案が,参議院において可決され,民法の債権に関する部分が大きく変わることになりました。今回からは,この法改正が私達の生活にどう影響してくるのか,具体的に解説していきます。

まずは,債権法の改正による交通事故損害賠償への影響です。

なお,実際に,改正された民法が効力を持つ(これを「施行」と言います。)のは3年ほど先になると思われます。

 

これまで,交通事故の損害賠償請求権は,加害者と損害を知った時から3年間で権利が消滅することになっていました。これを消滅時効と言います。

また,あまりありませんが,交通事故の時から20年間損害賠償請求権を行使しない場合も,現在の法律では,権利が消滅してしまうことになっています。

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しかし,今回の改正により,生命,身体に対する損害賠償,つまり,人身事故の場合,消滅時効が「5年」に伸びることになりました

なお,物損事故の場合は,3年のままです。

 

交通事故のうち,特に重度の事故で治療期間が長引いたり,後遺障害の認定までに時間がかかり,3年が経過してしまうということがあります。そのため,時効が5年になったことは被害者にとって,有利な改正といえるでしょう。

 

また,新たに「協議による時効完成の猶予」という条文が加わりました。これは,当事者同士が協議を行う旨を書面で合意した場合は,1年間(通算5年まで再合意可能)時効が延長できます。この改正によってさらに,後遺障害の認定や損害の算定を,余裕をもって行うことができるといえます。

 

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