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68期の新人弁護士へのインタビュー記事


68期修習生の方に,自分の就職活動を振り返ってのインタビューに応えていただきました。

属性(68期男性,修習地大阪)

質問 合格発表前に就職活動していましたか?

いえ,とくにしていませんでした。
合格発表前は,司法試験の勉強と実務修習で共通して求められるような,
要件事実系の勉強をしていました。

質問 9月上旬の合格発表があったのですが,そのときはどうしていましたか

ロースクールで,受験仲間と一緒にいました。
ロースクールでは,インターネット配信で,発表をみることができますので。
合格発表は,試験会場ごとの発表になります。
最初は,東京会場からの発表なのですが,そのなかに自分の番号がなかったのです。
ですから,「あ,落ちたかなあ?」と思ったのですが,よくよく考えたら,私は大阪で受験したので,東京会場の合格者番号に私の番号がないのは,当たり前でした。(笑)
もう一回見返して,大阪会場の合格者番号を確認したら,自分の番号があったので,「あ,合格してた」とわかりました。

 

質問 合格発表の直後にしたことは?
みんなに合格したことを報告しました。
ロースクールの受験仲間,弁護士ゼミでお世話になった弁護士の方
家族,ロースクールの教授に連絡しました。

そのあと,ロースクールが主催する,合格者向けのイベントに参加しました。
合格祝賀会や,ロースクール出身者の同窓会などです。

若手の弁護士の方が,自分の就職活動のときに,どうしていたかということを話してくれましたので,みんなそうするんだ,と勉強になりました。
また,若手の弁護士の方が,司法修習では,こういうことをするんだよ,ということを話してくれましたので,勉強になりました。

質問 はじめて就職活動をしたのは?
大阪弁護士会が主催している,合同就職説明会でした。
11月だったと思います。修習が始まる前でしたから。
就職説明会に備えて,履歴書,自己PR文などをはじめて書いて提出しました。

大阪の合同就職説明会には,企業や,法律事務所がブースを出しており,けっこう,盛り上がっていました。
修習生も100人くらいきていたと思います。

弁護士の方と,直接話を聞けたり,質問できたのはよかった。
個別訪問よりは,気軽に接することができました。

その後,合同就職説明会で面識をえた事務所に就職活動をしました。

法律事務所の側は,11月の段階では,就職活動の受け入れ態勢ができていない事務所もありました。
逆に,おそらく,合格発表前に採用を決定済,と思われる事務所もありました。
二極化している,という感じがしました。

早いところは,合格発表前に採用を決定している。
そうではないところは,司法修習がはじまってから,採用活動をしようか,という感じです。

質問 個別の事務所訪問は,いつごろから?

自分は,平成27年1月,第1クールの時期に,1回目の事務所訪問にいきました。
合同就職説明会のときに,面識をえた事務所でした。
大阪の,弁護士1人の個人事務所です。

このときには,グループ・ディスカッション方式でした。
修習生側は5名。
事務所側は弁護士1名。
弁護士が,具体的な事件をテーマとして出し,その事件の解決について,修習生に順番に意見を聞いていきました。
一人終わるごとに,弁護士が,講評をして,それをふまえて,次の修習生が意見をのべる,という感じでした。
公平をきすため,テーマは,3つほど,提示されました。

質問 2回目の事務所訪問は?

その次に事務所訪問をしたのは,神戸で弁護士数名の事務所でした。
最初に,ボスと1対1で個別面接をしました。
かなり充実した面接で,40分くらいは面接していただいたと思います。
ボスは,私が話しやすい感じに気を配ってくれました。
内容は,自分が提出した,自己PRや履歴書をもとにして,そこから話を広げていく,というものでした。
自分は,過去に柔道に本格的に取り組んだことがありましたので,柔道に関する質問は多かったと思います。

この事務所では,ややきびしい内容の質問を受けました。
「あなたは,自分の初任給は何円が妥当だと考えるか」
という質問でした。
「400万円か,もう少し,というところです」
と回答すると,
「なぜ,あなたの給料が400万円くらいになるのか説明せよ」
という質問を受けました。
この質問は,自分の想定外だったので,しどろもどろになりました。

あとで調べると,企業の採用面接では,けっこう定番の質問のひとつだったようです。

この事務所には,しばらくしてから,食事会にさそっていただけました。
事実上の二次面接です。
食事会には,ボス以外の弁護士と,事務員さんが2人参加していました。
事務員さんが,「性格がすごくキツイ人」らしく,この事務員さんに耐えられる人でないと新人弁護士として,つとまらない,という配慮だったそうです。
たしかに,言葉のハシバシが,きつかったです。

事務員さんから
「法律家をめざした理由」
「この事務所の志望動機」
をきかれました。
私は,この事務員さんとも,やっていけるとは思っていました。
とくに,イヤという気はしませんでした。

質問 次の事務所訪問は?

次に面接に行ったのは,大阪の法律事務所です。
大規模事務所であり,損害保険会社の仕事がメインの事務所でした。
弁護士会のひまわり就職ナビをみて,応募しました。

20人くらいで集団説明会をおこなっていただき,適宜,質疑応答がありました。
その後,事務所内の見学をおこないました。
時間が8時くらいでしたので,事務員さんは帰っていました。
残っているのは弁護士だけでした。

その後,やはり20人の修習生と,事務所側から弁護士5人程度で,居酒屋で食事をしました。修習4人から5人と弁護士1人で話をする,という感じでした。

出席していただいた弁護士の方は,事務所の中堅,準パートナー的な先生でした。
事務所のボスとの関係性なども,少し話していただきましたので,事務所の雰囲気が,ある程度わかりました。

質問 自分の就職活動を今から振り返って,もっと改善した方がよいと思う点は?

合格発表直後に,サマークラークの募集があったので,それに応募してもよかったかなあ,と思いました。

あと,面接については,もっと準備ができたかなあ,と思います。
面接のときに質問されたことは,履歴書や,自己PRから拾っての質問でしたので,予測が可能な質問でした。
なので,面接の場で考えるのではなく,こういう質問がきたら,こう回答しようという準備をしておけば,より,上手に,自分を印象づけるような,賢そうな回答ができたでしょうし,回答の態度も落ち着いた態度で回答できたと思います。

あと,自己PRを充実させておいた方がよかったと思います。
私の場合には,30通くらい出して6件面接に呼ばれました。
早期の段階で,すごく詳細な自己PRをつくっておけば,もっと,多くの事務所の面接に呼ばれたかなあ,と思うところはあります。

質問 自己PRは重要だと思いますか?
はい。
自己PRは少なくとも必ず読んではもらえます。
それに,成績・学歴以外には,自己PRしか差別化要素がありませんので。
成績と学歴は,すでに過去のことで変えようがないので,がんばって変わるのは自己PRだけですから。
「面接に呼ぶかどうかは,成績,学歴,自己PR,の3つで決定される」と思います。

質問 自己PRを充実させるためには,どうしたらいいのでしょうか。

他人に,自分の自己PR文をみてもらうことだと思います。
受験仲間とか,ロースクールの友人,家族,可能であれば,ゼミの弁護士の先生に読んでもらうべきだと思います。
これは,気持ちの面で,恥ずかしくてやりにくいことです。
でも,知り合いに読んでもらうことすら,恥ずかしい文書だとしたら,それを就職面接先の先生に読んでもらうことは,もっと恥ずかしいことです。
恥ずかしくないレベルにブラッシュアップすることが,就職活動をするときの礼儀だと思います。

できたら,自分だけでなく,お互いに自己PRを見せあったら,効果的ではないでしょうか。

また,「内定をもらった人」「面接に呼んでもらえる確率の高い人」の自己PR文をみせてもらうことも,可能であれば,やってみたらいいと思います。
自己PRは,書式も決まっておらず,とにかく自由度ですので,人によりレベル感が全く違うと思います。成功している人の自己PRは,自分とは隔絶したものなのかもしれません。