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弁護士の勤務条件

給料以外の勤務条件

弁護士の業界には,給料以外に,いろんな負担がある。
あまり,積極的には教えてくれないことかもしれないが,修習生は,きちんと知っておく必要がある。

単位弁護士会の登録会費
司法研修所を修了して単位弁護士会に弁護士登録をするときには、単位弁護士会に約50万円程度(大阪弁護士会の場合)の登録料をおさめる必要がある。
これが新規登録弁護士にとっては負担になることが多い。
この経費を自分が負担するのか、事務所が負担するのか。

これは大きな問題だ。

いきなり修習生が50万円払えと言われても,それは無理だろう。

弁護士会の登録会費の問題は必ずボスと話し合うこと


登録会費は,単位弁護士会によって異なるので,確認すること。
単位弁護士会の事務局にでも質問するのが確実であろう。
なお,登録会費は,単位弁護士会の会館を建設している弁護士会は高い傾向があるので,注意しましょう。
修習生は,弁護士会館がキレイだと,
「わあ,こんなキレイな会館を使えるなんて,ラッキー!」
と思うかもしれないが,それは,物事の一面に過ぎない。
ベテラン弁護士であれば,
「あらら,この弁護士会,こんなキレイな会館を建ててしまって,負担が大変だろうなあ」
と,その弁護士会の若手のことを哀れに思うものである。

単位弁護士会の月会費
たとえば,大阪弁護士会の場合、弁護士会費が月額約5万円かかる。この経費を自分が負担するのか、事務所が負担するのか。

吉田がアソシエイトであった時代には、アソシエイトの弁護士会費は事務所で負担してくれることが多かった。
ただ、現在では、アソシエイト負担の事務所と事務所負担の事務所が、ほとんど同じくらいの割合かと思う。

勤務条件をみるときには、表面上の給料の金額だけではなく、弁護士会費が、どちらの負担になっているのか、ということもきちんと確認する必要があるだろう。

なお,月会費については,都会の弁護士会よりも,地方の弁護士会の方が負担がキツイことがあるので注意しましょう。
「田舎の弁護士会だから,そんなにとらないだろう」
と,勝手に決めつけていると,意外と高額な会費を請求されて驚く人がいる。
なお,少し前のデータだが,
2012年のデータでは,一番弁護士会費が高かったのは,釧路弁護士会であり,年間115万4400円…月額9万6200円であった!
一番弁護士会費が安かったのは,埼玉県弁護士会であり,年間50万6400円…月額4万2200円。
東京弁護士会は,年間58万4400円…月額4万8700円とのことであった。

ポイント 表面的な給料だけでなく,弁護士会費が事務所負担なのか,自分の負担なのかを,きちんとチェックすること

 

住居から事務所までの通勤費
通勤費は事務所が負担するのが通常だが、あまりに遠距離だと半分しか負担しないという場合もある。
まあ,正直,事務所の経営者からしてみたら,あんまり高額の通勤費は負担したくないと思うものだ。
独身であって,住居を自由に選べるのであれば,事務所の近くにアパートを借りる,という方法もある。

社会保険などの負担

なお、社会人としては常識であるが、給料額面額から、社会保険料、源泉徴収税が差し引かれるため、給料額面額と手取り金額には差がある。
額面月給35万円→手取り月給29万円くらいか
思っているより,社会保険料は負担よ。