経営計画の必要性
平成29年となり,思うところがありました。
弁護士の事務所では,通常,経営計画というのもは,あまりつくることはありません。
ひとつは,「計画など作っても,どういう事件がくるかわからないから計画などつくっても無駄」という考え方が,弁護士の業界に根強くあるからです。
しかしながら,やはり,「そうなりたい姿」というものは,目標をもたないかぎり達成されることはないと思います。
「人との縁や運命によって,未来が決まってくる」ということも,それはたしかに,現実の問題としてはあるかもしれません。
しかし,「運命に流されて,なんとなくそうなってしまった未来」と,「自分で選びとり,つかみとった未来」とは,大きく異なるのではないだろうか,と思うのです。
もしも一人の人間がいるとして,
「自分が将来どうなるかなんて,他人や運命で決まってくることだから考えてもしょうがない」
などと言っている人間に魅力があるでしょうか。
自分が女性だったら,そう言っている男を好きになるでしょうか。
「私は,将来,こうありたい。こういう人間になりたい,そのために今日から,こういうことに取り組んでいくんだ」
そう言っている人間の方が,「しっかりしている」「目的意識がはっきりしている」と思います。
それは,法律事務所にあっても,まったく同じことが言えるのではないかと思うのです。
「こういう事務所でありたい」
という目標は,立てないかぎり実現されることはないと思うのです。
最終的な目標
最終的な目標として「百年つづく法律事務所をつくる」という目標を設定しました。
弁護士の経営目線というものは,たいてい近視眼的であり,
「目の前の事件に集中する」
「いまの事件を精一杯にがんばる」
ということが重視されがちです。
もちろん,そういうことも大事だと思います。
また,「遠い未来のことを気に病む必要はないだろう」「今,ここ,に集中すればいいのだ」という,アドラー的な教えも,もちろん,大事だと思います。
しかし,一方で,遠くをみて,あれこれと想像し,100年後に実現するような遠大な経営構想をつくるということは,とても意味のあることだとも思うのです。
では,百年つづく法律事務所をつくるためには,どうしたらよいのか,これから順番に考えていきたいと思います。
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