司法試験の最大難関とされていたのは毎年7月の論文試験でした。
2万人~3万人の短答試験受験者のなかから論文試験まで進むのは毎年2千人程度でした。
当時の論文試験は,憲法,民法,商法,訴訟法,法律選択,の6科目でした。
1科目あたり制限時間2時間以内に論文を2本書上げるため,6科目では,12本の論文です。
1本の論文は400字詰めの原稿用紙で10枚程度ですので,6科目12本の論文だと原稿用紙120枚,約5万字となります。
さすがに1日で書くのは無理なので,3日に分けて試験がおこなわれます。
論文試験の印象は「とにかく体力がものを言う」ということでした。
頭ではなく,カラダを使う試験です。なにしろ筆記用具は万年筆かボールペンに限定されていますので,全て手書きで,400字詰め原稿用紙10枚を1時間で書きます。
考えている時間がありません。最初の10分で,なにを書くかを決めて,あとの50分間は,ひたすら力の限りに文字を書き続けるという試験でした。
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