司法修習生になりました…私が弁護士になるまで8



 

司法試験に合格したあと,弁護士,検察官,裁判官のいずれかへの進路を決定するまで,司法修習生となります。

司法修習という制度は,アメリカの制度を参考にしたものです。

 

太平洋戦争が終わってから新規に第1期生から始まり,それから53年後,私たちの時代には第53期生でした。

 

1クラス60人程度で,全部で12組までありました。

 

私は11組でした。クラスの大半は20代でしたが,何人か年配の方々がいらっしゃいました。

 

最初のクラス飲み会で,隣の席の年配の方に話を聞いてみると

 

「昨年まで日本銀行で人事部長をしていたが,上に納得できなかったので辞めて司法研修所に来た」

 

という方でした。

 

そのころ,私は世間知らずだったので,

「えーと…日本,と言っても銀行はいくつかありますが,どの銀行ですか?」

 

と聞くと,

 

「どの銀行,というか,日本銀行です。」

 

との回答でした。

 

もちろん,日本の中央銀行である日本銀行のことでした。

 

また,お隣のクラスには大物がいました。

 

そのころ,大蔵省(現財務省)が接待疑惑で揺れていた時期で,「接待王」と新聞で叩かれていた,

 

大蔵省証券局長のNさんという方が官を辞職して司法研修所に入所していました。

 

マスコミではすごく叩かれていましたが,人柄は気さくで,親しみやすく,感じのいい方でした。

 

このように,数年間受験勉強に没頭していた世間知らずから,一気に広い世界に接するようになったのが司法修習時代です。

 

この記事を書いた人

yoshida

香川県高松市の弁護士 吉田泰郎法律事務所です。JR高松駅徒歩5分。あなたが話しやすい弁護士をめざしています。

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