裁判修習…私が弁護士になるまで10

 

裁判修習

弁護,検察,裁判,と法曹三者をまわる司法修習のうち,裁判修習では,裁判官 と一緒に行動し,法廷傍聴,判決の下書きなどをおこないます。

 

裁判修習で,もっとも記憶に残っているのは,事件のことではなく,京都家庭裁判所の裁判官室の窓から見える紅葉です。

 

京都の町中にある,京都地方裁判所とは異なり,京都家庭裁判所は,京都の下鴨という郊外の閑静な場所にあります。

 

中庭の紅葉は,秋になると真っ赤に紅葉し,時間を忘れて,うっとり眺めてしまうほど,美しいのです。

 

紅葉を借景とするために,裁判官室の窓は2メートル以上もあるような大きな特注品でした。

 

秋の日中に,仕事の合間に,ふと目をあげて,大きな窓の向こう側に広がる,真っ赤な紅葉をみていると,自分がまるで千年も昔にタイムスリップしたような,不思議な時間感覚にとらわれるのです。

 

ちょうど,私たちの班は,11月の最も紅葉の美しい時期に家庭裁判所に配属されました。

 

さまざまな裁判の事件の修習をしたはずなのですが,事件のことよりも,紅葉がすばらしかったことしか記憶に残っていません。

この記事を書いた人

yoshida

香川県高松市の弁護士 吉田泰郎法律事務所です。JR高松駅徒歩5分。あなたが話しやすい弁護士をめざしています。

Comments are closed, but trackbacks and pingbacks are open.