二回試験とは司法研修所の卒業試験です。
私たち53期は,戦後50年間変化のなかった旧制度から新制度への移行期となり,今まで「常識」であった出来事が突然変わりました。
その一つが,二回試験の在り方です。
今まで50年間にわたって,二回試験は,形式的なものであり
「人格が破綻していないかぎり,落とされることはない」
ことが常識とされ,50年間,不合格者は,ほぼ0名でした。
しかし,私たちの53期の時代から,突然「落とす試験」に変わりました。
53期から30人程度が不合格となりました。
私のクラスの70名の中から,2名の不合格者が出たことを知ったときは,雰囲気は,お通夜でした。
残念ながら不合格であった方にはクラスから再試験までの生活費としてカンパがされ,私は,それを彼らに届ける役目となりました。
どう切り出したものか緊張しましたが,案ずるより産むが安しで,大変に感謝してもらえました。
そういう波瀾もありながら,研修所を卒業して,弁護士として,実務につきました。
私が就職した大阪の法律事務所は,大阪府,春日大社,法隆寺,富士銀行(当時)などの法律顧問をしていた,老舗の法律事務所でした。
弁護士5人というのは,当時としては大阪では中堅規模の法律事務所でした。
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