※注意 当事務所はアディーレ法律事務所ではありません。
全国展開をしていた弁護士法人アディーレ法律事務所が、過去の問題行動により、東京弁護士会から業務停止2か月という処分を受けました。
業務停止となった場合、アディーレ法律事務所に債務整理や交通事故の契約をしていた依頼者の方が困ることになります。
業務停止という処分は、大変に厳しいもので、事務所の使用もできませんし、事務所の看板も隠さないといけなくなります。
また、お客様との契約は全部、破棄しないといけませんし、現在おこなっている裁判も全部辞任しないといけなくなります。
事務所の使用ができないので、依頼者の方に連絡をとることも難しくなります。
アディーレから「契約解除」の通知が来たという方へ
アディーレに事件を依頼していた方のところには、アディーレ法律事務所から、このような
弁護士会からの業務停止処分についてのお詫びと契約解除のお知らせ
という通知書が届いていると思います。
(まだ着いていない方には、これから届くことになります)
この文書の中で重要なのは
本書面をもって、当事務所との委任契約を解除させていただきます。
という部分です。
これはどういうことかというと、依頼者の方とアディーレ法律事務所との間で契約した仕事について、今後、アディーレ法律事務所が仕事をすることができなくなった、ということを意味します。
ですので、たとえば、交通事故の事件をアディーレ法律事務所に依頼していた方は、今後の交渉をアディーレ法律事務所がおこなうことができません。
また、たとえば、債務整理事件について、アディーレ法律事務所に債権者への返済代行を依頼していた方の場合には、今後、アディーレ法律事務所が債権者への支払いを代行することができなくなります。
実際、現在のところ、アディーレ法律事務所の銀行口座は閉鎖されており、アディーレ法律事務所に対して弁済資金を振り込むこともできないようになっているようです。
また、たとえば、B型肝炎の事件などで、給付金をもらうために裁判を起こしている方の場合、アディーレ法律事務所が今後の裁判を続けることができなくなります。
そういうわけなので、アディーレ法律事務所の依頼者の方全てに対して、非常に大きな影響が発生することになります。
「こんなことが許されるのですか?」
という疑問をもつことも当然です。
勝手に委任契約を解除されてしまうというのは、依頼者の方にとっては、とんでもない迷惑だと思います。
アディーレには、当然、文句を言ってしかるべきだと思います。
ただ、12月10日までは、アディーレに電話が通じませんので、10日過ぎに電話して文句を言ってやってください。
さて、そういうわけで、アディーレが悪いのは当然ですが、依頼者の方としては、目の前の問題、すなわち、
自分自身の事件について、今後、どうすればいいのか?
ということを優先して考える必要があります。
依頼者の方は、どうすればいいのか?
アディーレに連絡がとれなかったり、事件を依頼していた方は、どうすればいいのか不安だと思います。
アディーレ法律事務所は、いろんな分野の事件をおこなっていますので、分野ごとにお話をしていきたいと思います。
交通事故の分野の事件について
※ 以下は、あくまで弁護士の私見であって、唯一正しい見解とは断言しません。また、アディーレ法律事務所その他、世の中のいかなる人に対しても、当事務所は責任は負いません。
交通事故の分野の事件については、たとえば、アディーレ以外の他の弁護士を探して、他の弁護士に事件を依頼してもよいと思います。
「してもよい」というのは、アディーレ以外の弁護士に交通事故の事件を依頼しても、とくに不利になることがないからです。
アディーレ法律事務所は、交通事故事件については、成功報酬方式を採用しているため、示談や裁判がまだ進行中の場合には、弁護士費用が発生していないことが多いのです。
したがって、契約解除の時点で、アディーレに着手金などを支払っていないのであれば、他の弁護士に依頼したあとに、アディーレから着手金などの請求をされる可能性は低いだろうと思われるからです。
したがって、今から他の弁護士に交通事故事件を依頼した場合であっても、損はしない可能性が高いと思います。
(もっとも、すでにアディーレが交通事故の加害者と示談が終了していたような場合であれば、すでに成功報酬が発生しているかもしれません。そういう例外的なケースはあり得ることには注意してください)
なお、アディーレ法律事務所に依頼するときに、弁護士費用特約を使って依頼をしているケースでは、積極的に、他の弁護士に依頼した方が良いと思います。
弁護士費用特約を使っている場合には、途中で弁護士が変更になった場合であっても、300万円の範囲内であれば、変更後の弁護士の費用も支払ってくれます。
したがって、弁護士費用特約を使っている場合には、アディーレ法律事務所以外の弁護士に仕事を依頼しても、とくに問題は発生しません。
「300万円の範囲を超えることはないのでしょうか?」
という心配をする方もいらっしゃると思いますが、よほど大きな事故でなければ、弁護士費用300万円は超えません。
もしも心配であれば、他の弁護士に依頼するときに
弁護士費用特約300万円の範囲内だけで弁護士費用をおさめることはできますか?
と、質問なさったらよいと思います。
たいていの弁護士であれば、その条件でOKと言ってくれると思います。
(少なくとも弁護士吉田であれば、その条件でOKです)
弁護士費用特約がない場合
弁護士費用特約がない場合であっても、アディーレに依頼していた方は、他の弁護士にご依頼をすればよいと思います。
アディーレは成功報酬方式で事件を受けているはずですので、とくに着手金を支払っていないと思います。
実際、アディーレとの契約書には「着手金 無料」と書かれているはずです。
そうであれば、新しい弁護士に事件を依頼しても、とくに不利益はありません。
また、あとでアディーレから費用を請求されるということもないと思います。
なぜならば、アディーレは自分から契約を解除したわけですから、今現在、ご自分とアディーレとの間の契約は無くなっているのです。
契約が無くなったわけですから、弁護士費用が、今後発生することもないと思われます。
新しく弁護士に依頼する場合には、
アディーレ法律事務所と同一の条件で、仕事をしていただくことはできますか?
と、聞いてみたらいいと思います。
(弁護士吉田の場合には、アディーレ法律事務所と同一の条件で仕事します。というか、弁護士吉田でしたら、アディーレの報酬基準よりも安いです。)
交通事故の事件について、弁護士に相談したい場合には、
0120-643-663
までお電話ください。相談無料で対応します。
朗報!全国交通事故弁護団が全面的に協力していただけることになりました
アディーレの業務停止についてブログにつれづれ書いていたところ、
「アディーレに交通事故の事件を依頼していた方で、業務停止によって困っている方のために、積極的に、事件を引継しましょう」
と言ってくれる団体の助力を得ることができるようになりました。
それは、全国交通事故弁護団という弁護士の団体です。
(全国交通事故弁護団のホームページ。クリックするとホームページに飛びます)
全国交通事故弁護団は、全国に20拠点を持ち、弁護士総勢59名という弁護士の団体です。
普段は、弁護士同士の研究発表や交通事故に関する法律相談をおこなっています。
今回、全国でアディーレの業務停止により、一般の交通事故の方々がお困りだということ聞き、弁護団が直接、契約を解除された方の受け皿として、積極的に活動してくれることになりました。
全国交通事故弁護団の特別サービスとして
1、交通事故事件について、今までのアディーレとの契約条件と同一条件で契約を引き継ぐことを約束しています。
2、アディーレとの書類の引継の交渉も、弁護団が引き受けると約束しています。
3、弁護士費用特約がある場合には、弁護士費用特約の範囲内で全て費用をまかなうことを約束してくれています。したがって、弁護士費用特約以外に、自分が弁護士費用を負担することはありません。
これで、アディーレと契約をしていた方々の負担も、ずいぶんと軽減されると思います。
よかったですね。
全国交通事故弁護団の連絡先は、
0120-643-663
です。
一部地域をのぞき、全国対応していますので、積極的に電話してください。
債務整理の事件について
※ 以下は、あくまで弁護士の私見であって、唯一正しい見解とは断言しません。また、アディーレ法律事務所その他、世の中のいかなる人に対しても、当事務所は責任は負いません。
債務整理の事件については、今現在、どういう段階にあるかによって、正解が異なります。
和解が終了して、現在返済中の場合
アディーレに債務整理を依頼して、債権者との和解が終了しており、現在返済中の場合には、
今後の返済をどうしたら良いのか?
という問題が発生します。
アディーレは、自分から「契約解除」をしたわけですから、アディーレは弁済の代行ができなくなってしまいます。
弁済を2か月間おこなわないと、債権者から一括返済を要求されることになりますので、弁済を放置するのは、まずいです。
この点については、アディーレ法律事務所自身も、問題点を認識しています。
このコメントによれば、債権者と和解済みであって、弁済代行をおこなっている場合には、後日、アディーレ法律事務所から、どこの口座に何円を振り込んだらいいのか、ということを説明した文書を送るので、それにしたがって、自分で支払いをしてください、ということです。
そういうわけで、今後は、自分で債権者の指定する口座に毎月、お金を振り込む必要があります。
少々、めんどくさいところもありますが、しょうがありません。
お金を振り込まないと、一括請求されてしまって困るのは自分自身だからです。
もっとも、「何も自分は悪いことをしていないのに、アディーレのせいで迷惑を受けている」という気持ちになることは当然です。
ですから、12月10日を過ぎたら、アディーレに、思いっきり文句を言ってやればよいです。
なぜ、そうした方がよいのか、という理由
上記の行動が最適であるという理由は、以下のとおりです。
・アディーレは業務停止の間は、債権者に対して弁済代行をすることができません。したがって、債権者には2カ月間,弁済ができない状態となってしまいます。そのため、何もしないと債権者との関係では「約束した弁済がされない」ということになってしまいます。
したがって、放置するのはまずいです。
・アディーレから債権者に対しては、「業務停止によって契約解除になりました」という通知が出されているはずです。
ということは、債権者との関係では、アディーレは、もう代理人ではありません。
そうすると、債権者としては、アディーレと交渉できない以上、本人に請求するしかありませんから、そのうち、債権者から電話がかかってくることになります。
(この点について言うと、債権者から電話がかかってくるのを待つ、という方法もあると思います。
その方が手間は少なくて済みます。
ただ、自分の方から電話した方が、債権者の印象が良いので、優しく対応してくれると思います。
また、「債権者から督促の電話をされるのがイヤだから弁護士に依頼した」という方が多いと思います。
その意味で、どうせ督促されるくらいなら、自分から電話した方が精神的なダメージが少ない、とアドバイスしているのです。)
・アディーレと債権者との間の和解契約では、「2回以上返済を遅延した場合には、残金一括請求します」ということになっているはずです。
したがって、2回(通常は2か月分)返済を遅延するのは、とてもまずいです。
なので、アディーレの業務停止期間内に、少なくとも一回は、債権者に支払った方がよいです。
債権者に支払う口座は、どうやればわかるのか?
アディーレは、元依頼者に対して、どこの口座に、いくら支払えばいいのか、ということを書面で連絡する、と言っていますので、しばらくは、アディーレからの通知を待てばよいと思います。
ただ、アディーレも、9万人もいる依頼者に対して、本当に全員に通知をだせるのか?
という問題もあります。
もし、アディーレから通知がこないのであれば、積極的に、自分から債権者に電話して
「アディーレの業務停止で和解金が支払えなくて困っていますが、支払いをする意思はあるので、なんとかしてください」
と言うことも考えてください。
何回か電話を転送することになるかと思いますが、がんばってください。
アコム 0120-629-215
アイフル 0570-000-417
プロミス (SMBCコンシューマー・ファイナンス) 0120-24-0365
レイク (新生フィナンシャル) 0120-09-09-24
オリコ 03-5275-0211
他の弁護士に弁済代行を依頼するかどうか?
「アディーレは信用できないから、他の弁護士に弁済代行を依頼したい」
という方もいるかもしれませんが、結論としては
和解が終了している場合には、2か月後にアディーレに再依頼した方がよい
と考えています。
その理由は、以下のとおりです。
・弁済代行だけをやってくれる弁護士は、そもそも少ない。
・他の弁護士に依頼するときに着手金などの出費が必要となる。
・2か月くらいのことであれば、他の弁護士に依頼するよりもアディーレの業務停止が終わるのを待った方が手間が少ない
和解がまだ終わっていないという場合
債権者との和解がまだ終わっておらず、債権者に支払う金額が決まっていないという場合であれば
他の弁護士に債務整理を依頼する
というのが最適行動だと思います。
その理由は、以下のとおりです。
・アディーレは、業務停止になったので、債権者に対しても、契約解除になったという通知を出しているはずである。
契約解除になったのであれば、そのうち、債権者から本人に請求がされることになる。
そうすると、債務整理をする前の状態に戻ることになる。
この場合、和解している場合とは異なり、返済条件が決まっていないので、債権者との交渉が必要となる。
交渉が必要といっても、本人が債権者と直接交渉することは難しいと思われるため、弁護士に債務整理をすぐに依頼する必要がある。
したがって、弁護士が必要になることが明白であるので、他の弁護士に債務整理を依頼した方がよい。
他の弁護士に、どう依頼したらいいか分からない方へ
他の弁護士に依頼した方がいいと言っても、その方法がわからない、という方は、とりあえず、
電話番号は 0570-078374です。(全国対応)
法テラスというのは、国と弁護士会(弁護士の団体)が共同で運営しているところですので、少なくとも、だまされることはありません。
(また、業務停止になることもありません)
また、全国の都道府県に支店がありますので、全国のどの方でも相談することができます。
ただ、電話相談はできず、必ず法テラスの支店に行って相談をすることになります。
この点はご注意ください。
したがって、電話でできるのは、来所の予約をすることだけです。
アディーレに積立しているお金は返してくれるのか?という点
アディーレに返済資金を積立している方の場合、今まで積立しているお金は返してくれるのかどうか、という問題があります。
この点について、アディーレは態度を明らかにしていません。
ただ、以下のようなことは言えるかと思います。
・すでに和解が終了している場合には、着手金分は返金されないと思います。なぜならば、和解が終了しているということは、弁護士としておこなうべき仕事はしたからです。
「弁済代行を途中で放り出しているではないか!」
という点はたしかにあるのですが、弁済代行については、着手金とは別に、弁済代行手数料を払ってやっているサービスなので、やや論点が異なるかと思います。
「もっとも、そうは言っても、けしからん!」
という方は、「けしからん」という点については、私も同意しますので、アディーレに文句を言ってやってください。
・まだ和解になっていないという場合には、とりあえず、アディーレに対して全額返金を請求してみるのも一つの考えです。
もっとも、全額返金してくれるかどうかは分かりません。
一応、アディーレの契約書では、途中解除の場合、仕事の出来高に応じては費用が必要だとしているようです。
ただ、たしかに、今回は、アディーレのせいで、依頼者に迷惑をかけているという点はありますので、それも含めて、一度、請求してみてもいいのかもしれません。
・アディーレとの契約をやめて、他の弁護士に依頼することにした場合に、「返済資金」として預けているお金は返してくれるか、という点について
「返済資金」として預けているお金は返してくれるはずです。
契約解除したにもかかわらず、「返済資金」を返さなかったら違法ですから。
ただ、時期的にどうなるか?という問題はあります。
おそらく、返金の請求もいっぱいされていると思いますので、事務処理的な時間がかかる可能性があります。
なにしろ、アディーレに依頼していた方は、全国で10万人くらいいるそうですから。
・アディーレが倒産した場合には、預けていたお金はどうなるのか?
という疑問については、たしかに、倒産してしまった場合にはお金が返ってこない可能性はあります。
もっとも、アディーレは、つい最近まで、大量の仕事を受注して、大儲けをしていた(と思う)法律事務所です。
弁護士が大儲けをするということについての善悪の問題はあるとしても、お金だけはあるところなので、今すぐ倒産するとは思いません。(何年か後は別として……)
まとめ
同じ弁護士業界のことですので、アディーレの業務停止については、いろいろと考えるところがありました。
アディーレに仕事を依頼していた方にとっては、突然の業務停止、契約解除ということで、不安に思い、混乱されるお気持ちは大変によく分かります。
東京弁護士会が設置した、公的な相談窓口も、回線がいっぱいで、なかなか電話が通じないようです。
アディーレに文句を言いたい気持ちがあるのは当然であり、12月10日に業務停止が終わったら、どんどん文句を言ってやってください。
ただ、依頼者の方としては、まず、アディーレのことよりも、自分のことを考えないといけません。
交通事故の事件の方であれば、今後の示談交渉を、どうやって進めるのか。
アディーレの代わりの弁護士を、どうやって探すのか?
過払い事件の方であれば、過払い請求の手続をどうやって進めるのか。
すでに裁判を起こしているようなケースであれば、弁護士を早急に探す必要もあります。
債務整理で返済中の方であれば、アディーレが債権者に分割返済をできない状態なので、
どうやって分割返済をおこなっていくか。
そういう、目の前のことについて行動をとっていくしかありません。
アディーレに対する文句は、12月10日以降に、思いっきり、言ってやればよいと思います。今現在は、電話したくても、そもそも電話が通じません。
そういうわけで、本ブログも、アディーレの業務停止によって不安や混乱におちいっている方にとって有益な情報を発信することができたかもしれません。
なお、アディーレの交通事故事件の被害者の受け皿として名乗りを上げていただいた、全国交通事故弁護団の弁護士の方々には、あらためて感謝の意を表したいと思います。
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