交通事故の慰謝料は、過去の判例の積み重ねによって、ある程度の基準があります。
一方で、通常の交通事故とは異なる特殊な事情がある場合は、慰謝料が増額される場合があります。今回は、慰謝料の増額理由を紹介します。
1 傷害の部位、程度等による増額
傷害の部位や傷害の程度によって、慰謝料が増減します。例えば、頭部や内臓等の、人の生命維持にかかわる部位のケガや、重い後遺障害等級が認定されるような重い傷害の場合には、増額される場合があります。
また、実際に生死が危ぶまれる状態が継続した時、麻酔無しの手術など極度の苦痛を被った時、手術を繰り返した時なども、慰謝料の増額が考えられます。
2 被害者固有の事情による増額
例えば、高校生や大学生等が交通事故により、学校を長期間休むことを余儀なくされ、出席日数不足で留年してしまった場合など、治療期間や傷害の程度と関係ない要素による不利益が発生します。このような不利益について、慰謝料の増額が考慮されることがあります。
3 交通事故の悪質な態様による増額
故意に交通事故を起こした場合は当然ですが、無免許運転・ひき逃げ・酒酔い運転・著しいスピード違反、被害者の引きずり等、事故態様が悪質な場合に慰謝料の増額が認められます。
4 加害者の著しく不誠実な態度による増額
例えば、交通事故を発生させた後、事故の証拠隠滅を行ったり、刑事裁判等の手続きで、不合理な弁解を行い、被害者に対して不当な責任転嫁を行ったと評価された場合等には、慰謝料の増額が考えられます。
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