平成10年10月に論文試験の合格発表がありました。
当時通っていた司法試験予備校の「早稲田セミナー」の掲示板で,自分の名前を合格者欄に確認したときは,感動というよりは,ホッとした,というのが実感でした。
他の合格者の感想で共通していたのは「もう司法試験の受験勉強をしなくていいというのが,なによりも嬉しかった」ということでした。
もちろん,弁護士は一生ずっと勉強が必要ですが,司法試験の受験勉強は,いつ終わるかわからず,気持ちが不安定です。
また,勉強の内容が,同じ分野の知識を磨いていく作業であって,目新しさがないので,けっして楽しくはない時間です。
黙々と基本書を読んだり答案を書いたりする作業であって,他人と話す機会が極端に減少しますので,気持ち的に陰々滅々とすることが多いのです。
人によっては
「今月,他人と会話したのは,コンビニの店員さんだけだった」
という受験生もいるわけです。
ですので,「もう司法試験の受験勉強をしなくていい」という言葉には,独特の重みがあります
。平成10年に最終合格後,翌年の平成11年4月に司法研修所に入所するのですが,とても驚くことがいろいろとありました… (続く)
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