契約作成のルールを理解するための用語 …… 法律用語集
代理,顕名,追認,内金,白紙委任,収入印紙
質問29)「代理(だいり)」とはどのようなものですか?
回答
代理とは、本人に代わって別の人間が法律行為を行い、効果を本人に帰属させるものです。
本人に当たるものが会社や法人の場合、その法人の構成員が法人のために法律行為を行う場合も、代理に含まれるが、この場合は特に「代表」といいます。
また、「使者」と異なる点は、使者は本人の意思表示を伝達するにすぎないのに対し、「代理」は代理権の範疇で代理人自身が判断し意思表示を行います。
本人が、代理人に与える代理権には、本人の意思で与える任意代理権と、法律により与えられる、法定代理権があります。
任意代理権を与える場合には、代理契約を結びます。
代理は、法律行為について認められ、本質的に本人の意思が必要とされる婚姻や養子縁組などには適用しません。
質問30)「顕名(けんめい)」とは何を表すものですか?
回答
代理人が本人の名前を明らかにして、本人のために行うことを明らかにすることを言います。
周囲の状況からそれが明らかであれば良いとされています。
これを怠ると、代理人が自己のためにしたものとみなされます。
しかし、商行為の場においては反復性や迅速性が重視されるため、顕名は行われないことが多く、相手方から代理人に対しての、履行の請求に関しては議論されています。
質問31)「追認(ついにん)」とはどのようなものですか?
回答
追認とは、後に取り消すことが可能な契約などのように不完全な法律行為を、確定的に有効なものとする意思表示です。
例えば、売買行為において、買い手が売り手に虚偽の説明をして説明とは異なる商品を買わせた場合、これは詐欺にあたるため、売買契約を取り消すことが可能です。
しかし、買い手はその売り手の行為を認めた上で、購入の意思を見せれば、それは追認にあたります。
こうして追認された契約は法定上最初から有効であったとみなされます。
未成年者の訴訟行為を法定代理人が追認し、有効とするケースも見られます。
質問32)「白紙委任(はくしいにん)」とはどういった委任ですか?
回答
白紙委任とは、代理人に対して何の条件も与えず、全権を委ねるというものです。
代理権に制限を設けない他、代理人が白紙の委任状に委任内容を書き加えることも考えられます。
質問33)「収入印紙(しゅうにゅういんし)」とは何ですか?
回答
印紙税という税金を納めたことを示す証票です。
印紙税法で定められた課税文書には課税されるため、文書を作成した人が、定められた金額の収入印紙を貼付し、納付します。