手形・小切手を理解するための用語 …… 法律用語集
見せ手形,当座勘定取引契約,手形要件
質問6)「見せ手形(みせてがた)」って何のことですか。
回答
見せ手形とは、その手形を持っていることで、その手形を所持した人が、さも資金や信用があるかのように見せ掛けるためだけのために振り出された手形のことを指します。
たとえば社会的に信用の得られていない業者が、他者との取引に応じてもらうために、資金力、信用ともに兼ね備えた大手企業の手形を持っていると他者に見せ、信頼を得るために使用する手形のことです。
質問7)「当座勘定取引契約(とうざかんじょうとりひきけいやく)」の基本的なことを知りたいのですが。
回答
小切手や手形の支払委託契約、金銭消費寄託契約が複合された契約のことを当座勘定取引契約と呼びます。
当座勘定取引契約は金融機関と結ぶ契約で、小切手や手形の受取人からそれらを金融機関に呈示された場合、記載金額を支払うことを委託している契約が支払委託契約といい、金融機関の預貯金はもちろんのこと、顧客からの有価証券の寄託の受け入れをする場合に認められている契約などが挙げられるのが、金銭消費寄託契約といいます。
一般的に金融機関に当座預金を開設する際、申し込む金融機関で所定の審査があります。この審査に通り、金融機関と当座勘定取引契約を結ぶことで初めてその金融機関に当座預金口座が開設されることになります。
質問8)「手形要件(てがたようけん)」について教えてください。
回答
手形用紙に記載されていなければ、手形として有効に認められない必要な記載事項のことを指し、手形要件といいます。
約束手形の手形要件は、手形法75条で定められており、為替手形の手形要件は、手形法1条で定められています。
これらの手形法で定められた手形要件を欠いている手形は、手形法2条1項、また76条1項において、原則無効な手形となります。
ただし、振出地の記載がない場合、振出人に付記された地を振出地とみなし、また満期の記載を欠いた場合には、一覧払の手形とみなされると別の手形法で定められています。
尚、商慣習法上、手形要件の全要件、もしくは一部を欠いた未完成の手形であったとしても、記載していない手形要件の補充権を同時に付与、交付されたものは有効に流通することが認められており、それを白地手形といいます。