手形・小切手を理解するための用語 …… 法律用語集
支払呈示,遡及,偽造,変造
質問15)「支払呈示(しはらいていじ)」について教えてください。
回答
支払呈示とは、手形や小切手の所持人が支払いを求めて、振出人や支払人等に対し、証券を呈示する行為のことを言います。
手形や小切手は一般的に転々と譲渡されるものであり、債務者には現状誰が権利者であるかを把握するのは難しいと言わざるを得ません。
そのため支払いを請求するには、手形や小切手の所持人いわゆる権利者側からこれらの証券を呈示することが必要となります。
ただし支払呈示を完全に有効にするためには、呈示を支払呈示期間内に行わなくてはなりません。
手形の支払呈示期間(一覧払手形以外)は、手形の支払期日欄に記載された日またはこれに次ぐ2取引日であることに注意が必要です。
質問16)「遡及(そきゅう)」って何ですか。
回答
過去のある時点までさかのぼることを遡及と言いますが、手形でいう遡及とは、たとえば手形が不渡りとなり、手形の代金の支払いが受けられないとします。
この場合手形の所持人が自分より前の裏書人に対し、手形の代金の支払いを請求することができます。この請求のことを遡及といいます。
別に償還請求ともいわれます。
またこの手形の所持人が遡及できる権利を遡及権、または償還請求権といいます。
質問17)「偽造(ぎぞう)」について教えてください。
回答
単に偽者を造ることを一般的に偽造と言いますが、手形法等の有価証券法の用語で言う偽造とは、有価証券を不正に作成することをいいます。
たとえば自分が代理人としての権利を持たないにも関わらず、他者の署名を券面上に行い、券面に書かれた者が記載された債務を負担するような有価証券を造ることを指します。
質問18)「変造(へんぞう)」って何ですか。
回答
変造とは一般的に既存のものを加工しその形や内容などを変えることを指しますが、手形で言う変造とは、権限がないにも関わらず手形の記載事項を勝手に変更することを指します。
すでに記載されている事項を変更するのはもちろんのこと、勝手に書き加えること、抹消すること等も含まれます。