手形・小切手を理解するための用語 …… 法律用語集
手形保証,融通手形,白地手形
質問19)「手形保証(てがたほしょう)」の基本的なことを知りたいのですが。
回答
手形行為のひとつで、手形上の債務を担保とする目的で行われます。
手形面上もしくはその補箋上に保証人が署名をすることで、署名をした者が振出人のためにその手形を保証したものと認められます。それが手形保証です。
手形保証がされた手形は、その手形の所持人が誰になったとしても、手形金の支払いについて、保証人は自らが保証した者と同一の責任を負うことになります。
手形保証において、保証をされる側は手形の振出人だけではなく、裏書人などであっても良いと定められています。
ただし、誰のために保証するかを特に記載していない場合は、その手形保証は振出人のためになされたものだと、法律上みなします。
質問20)「融通手形(ゆうづうてがた)」って何ですか。
回答
実際の取引がないにも関わらず、振り出される手形のことを融通手形といいます。
通称融手(ゆうて)とも言われ、金融上の目的で振り出されることが多い手形です。
たとえば資金繰りに苦労し、すでに銀行からも借金ができなくなった会社が、取引先等に融通手形を振り出してもらうとします。
その融通手形を銀行に割引に出せば、一時的にでも会社に現金が入ることになります。その現金で資金繰りを行うのです。
このように実際の取引がないにも関わらず手形を振り出すということは、すなわち振出人が受取人に対して融資を行っているとも言えます。
融通手形とは、本来の手形のはたらきとは違い、他者に対し資金を得させる目的のための手形です。
質問21)「白地手形(しらじてがた)」って何ですか。
回答
本来手形には必要事項が記載されていますが、白地手形とは未完成な手形のことで、手形に必要な事項が記載されていません。
後日手形の取得者が記載されていない空白の事項を補充させます。
本来であれば、このような手形要件に不備があるものであれば、手形として認められません。
しかし売買代金や支払期日等がまだ確定していない時でも、手形を流通に置く必要がある場合も存在するため、その需要に応じて、古くから商慣習法上、認められていました。
現行の手形法77条等でもその有効性を前提として、白地手形は認められています。
白地手形はその空白事項を補充させることで、手形として有効になります。