不公正または不正な取引を理解するための用語 …… 法律用語集
課徴金制度,持株会社,企業結合規制
質問7)「課徴金制度(かちょうきんせいど)」について教えてください。
回答
課徴金とは、カルテルや入札談合等の違反行為を防止するため、行政庁が違反事業者等に課す金銭的不利益のことです。
課徴金の対象となる独占禁止法違反を行っていた事業者等に、公正取引委員会から課徴金を国庫に納付するよう課徴金納付命令がだされることを「課徴金制度」といいます。
課徴金の対象となる行為とは、カルテルや談合などの不正な取引、支配型私的独占、排除型私的独占、共同の取引拒絶、差別対価、不当廉売、再販売価格の拘束、優位的地位の濫用などとなっています。
課徴金の算定は、対象となる違反行為の内容、業種、企業規模により、定められた算定率によって計算されます。
質問8)「持株会社(もちかぶがいしゃ)」とはどのようなものですか?
回答
他の会社の株式を所有することで、その会社を支配している会社を「持株会社」といいます。
持株会社には、その内容によっていくつかの種類があり、本業を行う一方で他の会社を支配する事業持株会社、支配自体を本業とする純粋持株会社、子会社を金融機関に限定している金融持株会社などがあります。
質問9)「企業結合規制(きぎょうけつごうきせい)」について詳しく教えてください。
回答
複数の企業が、株式取得や分割、合併、役員の兼任、事業譲渡などによって結合することを企業結合といいます。
企業結合によってできた会社が市場を独占し、競争が失われる恐れがあるとき、結合に制限をかけるのが「企業結合規制」です。
企業結合を実施する会社のうち国内売上高等の届出基準を満たす会社には、競争制限についての審査のため、公正取引員会への届出が義務付けられています(独占禁止法第15条)。
ただし、企業結合の届出を予定する会社は、届出を行う前に公正取引員会へ結合計画に関する相談を行うこともできます。