不公正または不正な取引を理解するための用語 …… 法律用語集
親事業者/下請事業者,発注書面
質問40)「親事業者/下請事業者(おやじぎょうしゃ/したうけじぎょうしゃ)」について教えてください。
回答
資本金の大きい企業いわゆる親会社が資本金の小さい企業いわゆる下請事業者に対して、商品の修理や製造等を委託する場合があります。
このとき資本金の大きい企業、委託する側が親事業者と言い、資本金の小さい企業、委託される側が下請事業者と言います。
これは下請法2条7号、下請法2条8号によって定められており、それぞれ下請法の対象となる事業者となります。
下請法では、優越的地位にある親事業者がその立場を濫用することのないよう、行ってはいけない禁止事項、親事業者としての義務、また弱い立場にある下請業者を保護するための規定が定められています。
これらは下請業者が不当に損害を被ってしまうことを防ぐことを目的として、制定されています。
質問41)「発注書面(はっちゅうしょめん)」って何ですか。
回答
発注書面とは、親事業者が商品の製造等を下請事業者に対して発注した際、親事業者から下請事業者に渡す書面のことを言います。
口頭発注による様々なトラブルを未然に防止するため、親事業者は発注に当たり、発注内容を明確に記載した書面を交付しなければなりません。
発注書面は、親事業者が下請事業者に対し、請負代金を支払わなかったり等の不当な行為を行った場合、証拠となるべき大切な書類です。
発注書面に記載するべき事項は、法令で具体的に定められており、原則として該当するものを全て決定した上で記載する必要があります。
ただし、発注書面の様式は下請法で定められていないため、その取引内容に応じた適切な発注書面を作成すれば問題ないとされています。
親事業者は下請業者に発注したら速やかにこの発注書面を交付する必要があります。
この規定に違反した場合、親事業者に対して罰金が科せられます。