不法行為と責任を理解するための用語 …… 法律用語集
共同不法行為,製造物責任,製造物責任法
質問11)「共同不法行為(きょうどうふほうこうい)」はどのような行為ですか?
回答
他人の権利や利益を侵害する行為のことを不法行為といいますが、この不法行為に複数人が関与している場合を共同不法行為といいます。
共同不法行為にもさまざまなケースがありますが、今回ここでは交通事故が起こった場合を例にして説明していきます。
ある日2台の車が出会い頭で衝突事故を起こしました。1台の車には運転席のA君と助手席のBさん、もう1台の車には運転席のC君が乗っていました。
この時A君はC君の過失により、C君はA君の過失により怪我をしたということになります。
ですが、助手席に乗っていたBさんは、A君C君両方の過失により怪我をしたということになります。
こうしたケースの時に、「BさんはA君とB君の共同不法行為により損害をこうむった」となるわけです。
質問12)「製造物責任(せいぞうぶつせきにん)」とは?
回答
消費者は毎日の生活の中でさまざまなジャンルのさまざまな製品を購入したり使用したりしています。
そのようにして購入・使用した製品の欠陥が原因で、命、体、財産などに損害が生じてしまった時、消費者はその製品を製造していた業者などに対して損害賠償請求をおこなうことができます。
森永ヒ素ミルク中毒事件や、カネミ油症事件などはこの責任に該当する有名なものとなります。
質問13)「製造物責任法(せいぞうぶつせきにんほう)」はどんな法律なんですか?
回答
product liabilityを略してPL法とも呼ばれるこの法律は、製造物の欠陥が原因で消費者などの生命や身体に何らかの損害を生じさせてしまった場合に、製造業者が損害賠償の責任を負うことを定めた法律になります。
この製造物責任法の最大の目的は消費者保護です。
消費者が安心してさまざまな製品を購入し、快適な生活を送るための法律とも言えます。
製品に欠陥が認められる場合は、故意や過失などの立証は必要とされていません。