民事訴訟を理解するための用語 …… 法律用語集
除斥/忌避/回避,訴訟要件,準備書面
質問8) 「除斥/忌避/回避(じょせき/きひ/かいひ)」について教えてください。
回答
民事訴訟において言われる除斥とは、手続きの公正を失わせる可能性のある者をその手続きにおいての職務から除くことをいいます。
例えば裁判において裁判官が除斥されること等が典型的な除斥の例です。
裁判の当事者が裁判官の肉親であった場合など、その裁判の公正さが疑われる場合に行われます。
忌避とは、上記の除斥の事由には該当しないものの、手続きの公正を失わせる可能性のある者を申し立てに基づき、その手続きにおいての職務から除くことをいいます。
その対象は裁判官はもちろんのこと、他にも鑑定人や通訳人、仲裁人、裁判所書記官、審判官などが挙げられます。
回避は、刑事訴訟、民事訴訟において行われます。
自身が除斥もしくは忌避をする事由があると考え、自らその手続きにおいて職務執行を避けることを指します。
例えば裁判官に除斥、もしくは忌避の事由がある場合、監督権を持っている裁判所の許可を得た上で、回避することができると決められています。
質問9) 「訴訟要件(そしょうようけん)」の意味を教えてください。
回答
訴訟要件とは、民事訴訟の用語であり、民事訴訟法で当事者が当事者の能力を有していること、また裁判所が管轄権を有していること等、その訴えが審判を受けるために必要な条件のことを指します。訴訟条件ともいわれます。
この訴訟要件は裁判所が調査することになります。
調査の結果、訴訟要件が満たされていない場合、是正がされない場合、また是正が困難な場合は、この訴えは訴訟判決によって却下されることになります。
質問10) 「準備書面(じゅんびしょめん)」の基本的なことを知りたいのですが。
回答
民事訴訟で、自らの主張を口頭弁論で行うための準備、また自らの申し立てを基礎付ける主張(攻撃防御方法)や相手の請求、また攻撃防御方法に対する答弁や反論、認否等の陳述を記載した書面のことを指します。
民事訴訟では、口頭弁論は書面で準備しなければならないと、定められています。
口頭弁論の際に、この準備書面に基づいて基本的に当事者は口頭で自己の主張を行うことになります。
しかし第一回の口頭弁論期日を欠席しても、この準備書面を裁判所に提出していれば、準備書面の内容を陳述したものとみなし、相手方に弁論をさせることができるという効果があります。