民事訴訟を理解するための用語 …… 法律用語集
法律審,裁判上の和解,判決,既判力
質問26) 「法律審(ほうりつしん)」とは何のことですか?
回答
裁判において、事実問題には触れずに法律問題のみで判断を行う審級、法令違反の有無を判断する審級のことを指します。
民事訴訟においての法律審は、上告審となります。
上告審は下級審において認定された事実に拘束される決まりとなっています。
法律審では、すでに認定された事実についての法律的な解釈等のみを争うことになるので、原則として新たな事実や主張、証拠などの提供は認められていません。
法律審の対義語は事実審となります。
質問27) 「裁判上の和解(さいばんじょうのわかい)」について教えてください。
回答
裁判上の和解とは、訴訟上の和解ともいいます。
裁判官が訴訟手続きの途中に関与することで当事者間の和解を促し、それを締結させて進行中の訴訟手続きを終了させる手続きのことを指します。
裁判上の和解をすることで、訴訟手続きを早期に終了させることができる、訴訟費用の負担を減らすことができる、当事者間の関係の悪化を防ぐことができる、判決による結論は、勝訴か敗訴かの結果しか出ない場合がほとんどであるが、和解であれば案件の実態に対して最も適切な解決方法を選択することができる等のメリットが挙げられます。
質問28) 「判決(はんけつ)」の意味を教えてください。
回答
民事訴訟や刑事訴訟などの訴訟において、裁判所が一定の厳重な手続きを経た上で当該事件に対し示す判断のことを指し、判決といいます。
民事訴訟及び行政事件訴訟においての判決には、請求に対する判断を示した本案判決、また訴えや上訴が不適法であるために請求について判断せず却下する判決を示す訴訟判決とがあります。
また他にも第一審の判決として、請求容認判決、請求棄却判決、訴え却下判決、控訴審の判決として、控訴容認判決、控訴棄却判決、控訴却下判決、上告審の判決として、上告認容判決、上告棄却判決などの様々な判決があります。
質問29) 「既判力(きはんりょく)」ってなんですか?
回答
既判力とは、裁判の効力のひとつです。
既に裁判所が判断を下した事項について生じる効力のことを指します。
そのため先に判断を下した裁判所の既判力の効力により、当事者、後訴裁判所において、それに矛盾するような訴えや主張は認められていませんし、同じ案件に関する再度の裁判は一切認められていません。
別に実質的確定力や実態的確定力ともいいます。