労働法の基本を理解するための用語 …… 法律用語集
労働協約,労使協定,労使委員会
質問5)「労働協約(ろうどうきょうやく)」について教えてください。
回答
労働協約とは、労働組合と使用者との間で、労働関係のルールについて書面で取り交わしたものです。
その内容は、賃金や労働時間、休日などの労働条件や、団体交渉、組合活動などについての取り決めとなっています。
労働協約により、一定の労働条件が保障されることで労働者を守ることができ、また、使用者にとっても労使関係の安定が維持されるというメリットがあります。
労働協約に定められた基準は、就業規則や労働契約などで定められた基準よりも優先されます(労働組合法第16条)。
また、その締結当事者となるのは、労働者側では労働組合やその連合団体、個人加盟の合同労組、ユニオンなどであり、使用者側では使用者や使用者団体となります。
労働協約が有効に成立するには、団体交渉で合意に達した事項を書面に作成し、両当事者が署名または記名押印する必要があります(労働組合法第14条)。
質問6)「労使協定(ろうしきょうてい)」は労働協約とどう違うのですか?
回答
使用者と労働組合が自由に取り決めを行う労働協約とは違い、労使協定は労働基準法によってその締結が義務付けられ、内容によっては労働基準監督署への届出が義務付けられているものもあります。
労使協定とは、労働者の過半数で組織する労働組合か、労働者の過半数を代表する者と、使用者が書面による協定を交わすことをいいます。
労働基準法第36条では、労使協定で時間外・休日労働について定め、行政官庁に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働や休日労働が認められるとしています。
これを時間外労働協定といい、一般に「36(サブロク)協定」とも呼ばれています。
質問7)「労使委員会(ろうしいいんかい)」について教えてください。
回答
労使委員会とは、賃金や労働時間などの労働条件を調査審議し、事業主に意見を述べることなどを目的として設置されるものです。
使用者や事業所の労働者を代表する者が、その構成員となります。
通常、設置義務はありませんが、企画業務型裁量労働制を導入する事業所では、その設置が義務付けられています。