労働時間を理解するための用語 …… 法律用語集
企画業務型裁量労働制,専門業務型裁量労働制,ワークシェアリング,ワークライフバランス
質問18)「企画業務型裁量労働制(きかくぎょうむがたさいりょうろうどうせい)」とはどのような制度ですか。
回答
企画業務型裁量労働制とは、事業運営・企画・調査といった業務を自らの裁量で行う管理部門を対象とした制度で、労働時間が何時間であろうと決められた時間労働を行ったとみなす制度です。
企業の経営に関わる職務の場合、トラブル発生時などには就業時間の範囲を大きく越えて仕事をする場合があります。
その場合、残業代が大変な額になる可能性が高いため、残業代対策に効果があります。
対象となる事業場も限定されており、その事業場が本社・本店であること、また支社・支店であっても、その事業場で独自に事業計画を持って経営を行っている場所に限られます。
質問19)「専門業務型裁量労働制(せんもんぎょうむがたがたさいりょうろうどうせい)」とはどのような制度ですか。
回答
専門業務型裁量労働制とは、時間の制限を加えないことで業務が円滑に進む業種に対し、業務の遂行や労働時間の配分を労働者に任せる労働制度のことです。
原則として何時間残業をしても残業代は支払われませんが、会社側から具体的な労働時間の指示が出ることはありません。
質問20)「ワークシェアリング(わーくしぇありんぐ)」とは何ですか。
回答
ワークシェアリングとは、1人当たりの労働時間を減らすことによって空いた分の業務を他の人と分けあい、就業可能なのべ人数を増やそうという試みです。
失業対策としてヨーロッパを中心に発達した考え方ですが、日本ではそこまで普及していません。
労働者個々の生産性の違いによる仕事の生産性の低下や、全体的な賃下げの恐れがあることが原因とみられています。
ヨーロッパでは産業や階級別の仕事の分かち合い意識があるのに対し、日本では個々の企業への帰属意識が高いことも理由の一つと考えられています。
質問21)「ワークライフバランス(わーくらいふばらんす)」について説明してください。
回答
ワークライフバランスとは、生活が仕事だけに偏りすぎず私生活もバランス良く共存させる考え方をいいます。
どちらか一方にバランスが傾くと、ストレスに押しつぶされてしまったり、経済的に不安が生じたりと安定した生活を送ることができません。
ワークライフバランスを実現した働き方として、子育てをする母親の短時間就業での雇用制度等が挙げられます。