賃金を理解するための用語 …… 法律用語集
平均賃金,年棒制
質問5)「平均賃金(へいきんちんぎん)」とはどんな賃金を言いますか?
回答
労働基準法等で決められている手当てや補償、減給制裁の制限額を算定するときなどに基準とする金額のことを指します。
給料の相場等を意味するものではありません。
平均賃金は通常の生活賃金から算定することを基本としており、労働者の生活を保障するためのものとなっています。
例えば、解雇予告手当や休業手当、有給休暇取得、災害補償、減給制裁の制限額、転換手当等に平均賃金は計算されます。
解雇予告手当は、平均賃金の30日分以上と定められています。
事業主の都合により休業させる場合の休業手当は、1日つき平均賃金の6割以上と定められています。
有給休暇を取得した日については、平均賃金で支払う場合の賃金として定められています。
災害補償は、労働者が業務上負傷、もしくは疾病にかかる、または死亡した場合の補償として、平均賃金から算出され支払うことが定められています。
減給制裁の生減額は、減額の回数が1回の場合は平均賃金の半額まで、何回も制裁する場合は支払い賃金総額の1割までと定められています。
転換手当とは、じん肺管理区分により、地方労働局長が作業転換の勧奨または指示を行う際に支払われる手当のことを言い、平均賃金の30日分または60日分と定められています。
質問6)「年棒制(ねんぽうせい)」の基本的なことを知りたいのですが。
回答
年俸制とは、賃金の額を年単位で決める制度のことをいいます。
時間的単位によって賃金額を決定するという観点から賃金制度を分類した場合、日給制、月給制、年俸制等に分けられます。
日給制は、一日あたりで賃金額が決定します。
月給制は、一月あたりで賃金額が決定します。
年俸制は、一年あたりで賃金額が決定します。
ただし、年俸制においても、賃金は最低でも月に一度以上支払うことが定められていますので、年俸額を分割して毎月賃金は支払われることになります。
年俸制は年単位で賃金額が決定されるだけでなく、前年度の業績の評価なども加味され、事業主、上司、労働者等の話し合いや交渉によって決定されることも多くあります。
昨今は年俸制を取り入れる会社が増えていると言われています。