株式・株主の権利を理解するための用語…… 法律用語集
株券発行会社,株券不所持制度,単元株制度,単元未満株式
質問16)「株券発行会社(かぶけんはっこうがいしゃ)」とはどのような会社ですか?
回答
株式に係る株券を発行する旨、定款に定めている株式会社を、株券発行会社といいます(会社法117条)。
会社法215条では、株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならないとされています。
原則として、株式会社は株券を発行する必要がないとされていますが、定款に株券発行の定めがある場合に、株券発行会社となります。
なお、株券発行会社の株主は、会社に対して株券不所持の申し出をすることで、株券を保持しないでいることも可能となっています(同法217条)。
非公開会社では、定款に株券発行の定めがあっても、株主の請求があるまでは株券を発行しないことができます。
現在、上場会社の株券は電子化され、その所有権についても振替機関によって電子管理されています。
質問17)「株券不所持制度(かぶけんふしょじせいど)」について教えてください。
回答
株券発行会社の株主が、会社に対して株券の所持を希望しないことを申し出ることができるのが、株券不所持制度です(会社法217条)。
盗難や紛失といった保管にともなうリスクを回避するため、株主には不所持の申出が認められています。
質問18)「単元株制度(たんげんかぶせいど)」とは何ですか?
回答
一定の数の株式をもって1単元の株式とし、株主総会などにおいて1個の議決権を行使することができる制度を、単元株制度といいます(会社法188条)。
単位株制度が廃止され、単元株制度になったことで、1売買単位を会社が自由に決めることができるようになりました。
なお、単元株式数に満たない数の株式をもつ株主は、株主総会での議決権は持ちませんが残余財産の分配を受ける権利や株式無償割当を受ける権利などがあります。
質問19)「単元未満株式(たんげんみまんかぶしき)」とはどのようなものですか?
回答
単元制度を採用し、一定の株式をまとめて一つの単位にした場合、一単元に満たない株式が出てきます。
これを単元未満株式といいまず。一単元が1000株の場合は1株から999株が単元未満株式となります。
株主の自益権・共益権を原則として認めますが、議決権は認められていません。