株式・株主の権利を理解するための用語…… 法律用語集
黄金株,従業員持株制度,相互保有株式,株主名簿
質問25「黄金株(おうごんかぶ)」について教えて下さい。
回答
種類株式の一つで、株主総会ににおいて重要事項の議決を否決できる権利を持つ特別な株式のこと。拒否権付種類株式ともいいます。
元々は敵対的買収に備えるために防衛対策として拒否権を付与したことにはじまり、黄金株を友好的な株主に保有してもらうことにより、経営権を保持することが出来るものです。
黄金株を敵対的買収者にわたってしまうリスクもありますが、平成16年の会社法施行により譲渡制限を黄金株につけることが出来るようになり、黄金株は経営者にとって防衛策の一つとして有用なものと言えます。
質問26)「従業員持株制度(じゅうぎょういんもちかぶせいど)」とはなんですか?
回答
自社の従業員に自社株を保有してもらうための制度で、メリットとしては従業員の福利厚生の一環として資産形成するものであったり、株式を持つことで経営者視点をもち、業績を上げようとするモチベーションにもなります。
また、流動性の少ない安定株主を形成することが出来ます。一般的に株式を保有するために従業員持株会などの組織を作り、一定額を給与から拠出して共同保有する方法となっています。
デメリットは株主関係が悪化した場合に会社運営が混乱したり、換金性が乏しいなどが挙げられます。
質問27)「相互保有株式(そうごほゆうかぶしき)」とはどういったものですか?
回答
株式会社が相互に株式を持ち合うことをいいます。「持合い」「株式の持合い」とも呼ばれます。
株式は基本的に議決権を持っていますが、株式相互保有することによって不正な決議が行われることを防止するために制限があります。
A社が議決権を4分の1以上のB社の株式を保有している場合、B社はA社に対して議決権を行使出来ないというものです。
質問28)「株主名簿(かぶぬしめいぼ)」について教えて下さい。
回答
商法223条によって作成が義務付けられている帳簿で、株主と株券に関することを明らかにし、株主を把握し、株主権をスムーズに行使するためにものです。
株主の氏名および住所、株主の有する株式の数、株主が株式を取得した日、株式会社が株券発券会社である場合には株券番号が記載事項です。
株主名簿は本店または株主名簿管理人のいる営業所に備え置く必要があります。