会社の設立・上場を理解するための用語…… 法律用語集
定款,電子定款,授権資本制度
質問1)「定款(ていかん)」とは何ですか?
回答
定款とは、社団法人(会社・公益法人・協同組合など)や財団法人の、目的、組織、活動、構成員、業務執行などについての根本規則であり、それを記載した書面のことです。
会社の設立登記申請手続きにおいて、登記申請書の添付資料のひとつとされているため、定款を作成しなければ、会社は設立できません。
定款の書面には、商号や本店の所在地、目的、発行可能株式総数などの絶対的記載事項、取締役や監査役の任期などの相対的記載事項、事業年度や取締役及び監査役の員数などの任意的記載事項といった記載事項があります。
質問2)「電子定款(でんしていかん)」とは、どういうものですか?
回答
電子定款とは、従来の紙媒体ではなく、CDなどを用いた電子媒体の定款のことです。
通常、紙媒体で定款を作成するときには、収入印紙代として4万円が必要でしたが、電子定款ではそれが不要になります。
電子媒体は、ワープロソフトなどで作成した文書をPDFファイルに変換し、専用のソフトを使って電子署名をし、それをCDなどの媒体に保存したものが一般的です。
定款は公証人に認証してもらう必要がありますが、電子定款でも認証してもらうことができます。
質問3)「授権資本制度(じゅけんしほんせいど)」について教えてください。
回答
会社法では、定款に定める発行可能株式総数の範囲内であれば、定款を変更せずに、取締役会の判断で株式を発行できることを授権資本制度として定めています(会社法37条)。
定款によって会社に発行の権限を与えている発行可能株式は「授権株式」とも呼ばれます。
公開会社の場合、会社の設立の際には、発行可能株式総数の4分の1以上を発行するよう規制されていますが、残りの部分については、会社の任意で発行することができます。
授権資本制度によって、株主総会などの手続きを経ずに、経営上の判断によって、迅速に資金調達することが可能となっています。
また発行可能株式総数をあらかじめ設定しておくことによって、既存株主の利益を守っています。