会社の種類や組織を理解するための用語…… 法律用語集
発起人組合,不足額てん補責任,任務懈怠責任,預合
質問18) 「発起人組合(ほっきにんくみあい)」とはどのような集まりですか?
回答
複数の者が定款に署名し、発起人となると、会社設立という共同の目的の元に事業を行う団体としてみなされ、組合として認められます。
発起人組合の意思決定は、原則として発起人の過半数で決定します。
しかし、資本金の額や株式の払込金額とその期日など、会社設立の根幹をなす重要な内容の際は発起人全員の同意を得なければならないものもあります。
質問19)「不足額てん補責任(ふそくがくてんぽせきにん)」って何のことですか?
回答
現物出資・財産引受について、定款に記載した額に著しく不足するときに、発起人と設立時取締役は連帯してその不足額を埋める責任を負うことです。
ただし、検査役の調査を受けた場合や、努力を怠らなかったことが証明されれば、義務を免れます。
質問20)「任務懈怠責任(にんむけたいせきにん)」とはどういうことですか?
回答
懈怠(けたい・かいたい)とは、法律において実施すべき行為を行わずに放置することをいい発起人や設立時の取締役に任務懈怠があり、会社に損害を生じさせた場合には連帯して損害賠償責任を負います。
これは過失責任ですので無過失の場合は免除されるほか、総株主の同意があれば免除可能とされています。
質問21)「預合(あずけあい)」とは何ですか?
回答
発起人または設立時の取締役が、出資金として定款に定められた額のお金を、あらかじめ払込予定の金融機関から借り、それを口座に入金して出資金の払い込みを偽装することです。
もちろん、借入金を返済するまでは預金を引き出さないという約束を金融機関と行います。この場合、帳簿上のお金の移動のみになり実際の出資金は集められていません。
これは刑事上、偽装行為として取り締まられ、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金に処せられます。
近年は最低資本金が撤廃されたことからこの偽装そのものの必要性は薄くなりました。