会社の資金調達を理解するための用語…… 法律用語集
増資,募集株式,第三者割当増資,株主割当
質問1)「増資(ぞうし)」ってなんですか?
回答
字からもある程度想像できると思いますが、増資とは資本金を増やすことです。資金を必要としている会社が新たに株を発行し、その株を買ってもらう事で資金を調達することを増資といいます。
増資には既存の株主に買って貰う「株主割当増資」、特定の企業や金融機関などに買って貰う「第三者割当増資」、広く一般に株主を募集する「公募増資」の3種類があります。
質問2)「募集株式(ぼしゅうかぶしき)」とは?
回答
募集株式とは、株式会社が新たに発行する株式(新株)または株式会社が持っている株式(自己株式)を処分する場合にそれを引受ける者を募集し、引受の申込みを行った者に対して割り当てられる株式のことです。
株式会社が募集株式を行う場合には募集事項を決定しなければなりません。募集事項には募集株式の数(種類)、募集株式の払込金額またはその算定方法などがあります。
この決定は株主総会の特別決議で行うのが原則ですが、公開会社では取締役会の決議とする特則もあります。
旧商法では別々に規定されていた新株発行と自己株式の処分ですが、新たな株主を募集するという点が同じである為、会社法ではまとめて規定されています。
質問3)「第三者割当増資(だいさんしゃわりあてぞうし)」とはなんの事ですか?
回答
第三者割当増資とは、会社の資金調達方法のひとつで、株主であるかどうかということは問わずに特定の第三者に対して新株などを発行することをいいます。
第三者割当増資が既存株主に不利益を与える可能性もあるので、発行手続きは既存株主に配慮した形で行われます。特に、新株を安い価格で第三者に発行する際には株主総会の特別決議を行います。
質問4)「株主割当(かぶぬしわりあて)」について教えて下さい。
回答
株主割当とは、会社が新しい株を発行する際に、既存株主に新株の割当を受ける権利を与えることをいいます。
割当を受けた株主は必ず申込みを行わなければいけないという義務はなく、申込みがない場合には権利が消失します。
新株の割当を受けたい場合には、指定された金額を払い込みます。すると持ち株数に応じた新株が割り当てられるのです。この際の払込金額は株式市場の時価とは無関係に設定されます。