会社の種類や組織を理解するための用語…… 法律用語集
内部統制,コンプライアンス,法令遵守,公益通報者保護法
質問16)「内部統制(ないぶとうせい)」とは、具体的にどのようなことですか?
回答
内部統制とは、企業の業務適正、取締役と執行役の職務執行の適法性を確保するため、組織体制を整備、運用するシステムのことです。
企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準のあり方」によると、その目的は「①業務の有効性及び効率性、②財務報告の信頼性、③事業活動に関わる法令等の遵守、④資産の保全」の達成とされ、企業内のすべての者によって遂行されるべきプロセスとされています。
またその基本的要素は、「①統制環境、②リスクの評価と対応、③統制活動、④情報と伝達、⑤モニタリング、⑥ITへの対応」とされています。
内部統制は、会社法では取締役会の専権事項とされ、また大会社では取締役・取締役会の義務となっています(会社法362条4項6号)。
質問17)「コンプライアンス(コンプライアンス)」の意味を教えてください。
回答
コンプライアンス(compliance)とは、コーポレート・ガバナンスの基本原理のひとつで、日本では「法令遵守」と訳されます。
企業が法律や規則、社会規範などのルールに則り、活動を行うことを指す言葉です。
企業には守るべきルールが数多くあり、会社法や労働基準法、独占禁止法、金融商品取引法など、さまざまな法律・法令に則って活動することが求められます。
こうした法令遵守のための体制作り(コンプライアンス・プログラム)を策定し、実施する企業も増えているようです。
近年、企業の社会的責任が問われ、コンプライアンスの重要性が増すなか、その徹底を促すために公益通報者保護法などの整備も進んでいます。
質問18)「公益通報者保護法(こうえきつうほうしゃほごほう)」とはどういうものですか?
回答
公益通報者保護法とは、企業の法令違反行為を労働者が通報した場合、解雇などの不利益から保護することを目的として、平成18年4月に施行された法律です。
対象となる法律は、刑法や食品衛生法、金融商品取引法など、400以上。
保護される労働者は正社員だけでなく、パートやアルバイト、公務員を含み、保護の方法としては、解雇や派遣契約解除を無効とし、降格や減給などを禁止することとなっています。
通報先は、事業者内部、監督官庁や警察・検察などの取締当局、マスコミや消費者団体などの外部機関とされています。