商業登記を理解するための用語 …… 法律用語集
重任登記,定款変更,本店移転の登記,組織変更
質問12)「重任登記(じゅうにんとうき)」とはどのような登記ですか?
回答
重任登記とは、任期満了予定の役員を続けて同じ地位に就任させる際に必要な登記となります。
任期満了予定の役員が続けて就任というのは少しわかりにくいかもしれませんが、つまり一度退任した役員が時間をあけずにすぐ同じ地位に就任するということです。
そしてこのことを「重任(再任)」といいます。勿論、時間をあけず即時に就任する場合には本人がそのことを承諾する必要があります。重任登記の手続きは重任登記の手続きのみ行えば大丈夫です。
一度役員の退任登記をし、新たに就任登記を行うなどの手間はいりません。
質問13)「定款変更(ていかんへんこう)」の基本を教えて下さい。
回答
定款とは会社でいう基本規則、銀行などでいう根本規則のことをいいます。定款には「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の分類があり、株式会社を発起した人または設立した時の社員などが作成します。
定款変更とは、この、会社の基本規則である定款を変更することをいうのです。長く会社を経営すればするほど、定款変更を行わなくてはならない場面もでてくることでしょう。
しかし会社の基本規則を変更するというのは、会社の構造や特徴などを変える可能性もあるため、株主などの出資者を無視して行うことはできません。ですので、原則として株主総会の特別決議が必要となります。
質問14)「本店移転の登記(ほんてんいてんのとうき)」とは何のことですか?どのようにするのですか?
回答
本店移転の登記とは、会社の本店(本社)所在地(住所)を移転した場合に行う登記になります。会社の所在地を移転する際には、定款変更の必要性、移転先の法務局の管轄の相違、商号の調査などを事前に確認しておいた方がよいでしょう。
本店移転を行った際は、移転した日から2週間以内に本店移転の登記の申請を行わなくてはなりません。
質問15)「組織変更(そしきへんこう)」について知りたいです。
回答
会社法においての組織変更とは、株式会社が持分会社になること、またその逆のことをさします(持分会社とは合名会社・合資会社・合同会社のことです)。
旧商法では持分会社から株式会社へなることはできませんでしたが、会社法が施行され、持分会社から株式会社への組織変更も可能になりました。
ですがどちらとも、好きな時に好きなように組織変更ができるわけではなく、株式会社から持分会社への変更では総株主の承認が、持分会社から株式会社への変更では総社員の承認が必要となります。