会社の役員を理解するための用語…… 法律用語集
監視義務,忠実義務,競業避止義務,利益相反取引
質問31)「監視義務(かんしぎむ)」とはどんな義務のことですか?
回答
取締役には、代表取締役やその他取締役が、法令や定款を守って業務の執行を行っているか監視する義務があります。この義務のことを監視義務といいます。
質問32)「忠実義務(ちゅうじつぎむ)」とはどのような義務のことですか?
回答
会社法では、取締役などが職務を忠実に行うことが義務付けられています。この義務のことを忠実義務というのです。
取締役はどんな時もその会社のために職務を全うしなければなりません。法令や定款を遵守して職務を行うことは勿論、会社のためではなく自分の私欲を満たすためだけに行動するなどもしてはいけないのです。
もしそういった行動をしてしまった場合は忠実義務違反となります。
質問33)「競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)」とはどんな義務ですか?
回答
取締役などがその地位を利用し、会社の営業と競争的な取引を行ってはいけないとする義務のことを競業避止義務といいます。
取締役は立場上、その会社の経営戦略や営業機密などを熟知しています。その取締役が例えばその知識を活用して同種の事業を自ら行うなどすれば、会社の顧客数が奪われ、将来的に大きな損害を被る可能性がでてきます。
そのようなケースを避けるため競業避止義務が設けられているのです。取締役が競業事業を行う場合には、株主総会の承認が必要です。
質問34)「利益相反取引(りえきそうはんとりひき)」の基本を教えて下さい。
回答
利益相反取引とは、取締役が会社の利益を犠牲にして、取締役自身または第三者などの利益を優先させる取引のことをいいます。
取締役自身が利益を得て会社が損をするような取引の場合は利益相反取引にあたります。会社としては損害を被るのは避けたいですよね。
そのため,もし利益相反取引を行いたい場合には、取引についての情報をしっかりと開示して、会社の承認を得ることが必要となります。そしてこの取引によって会社に損害を与えてしまった場合には損害賠償責任を負う事になります。