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倒産・解散・清算を理解するための用語 …… 法律用語集

保全処分,破産手続開始決定,破産管財人

質問28)「保全処分(ほぜんしょぶん)」とは何のことですか?

回答
債務者が破産手続などをする時というのは、申立てから手続が開始されるまでに間があります。
この、手続が開始するまでの間に債務者の財産が隠されたり流出したり、損害を受ける可能性や、特定の債権者がまわりを出し抜き弁済を受ける可能性があります。
こうした事態を防ぐために、裁判所は措置を講じることができ、この措置のことを保全処分というのです。保全処分には「他の手続の中止命令」や「包括的禁止命令」など、いくつかの種類があります。


質問29)「破産手続開始決定(はさんてつづきかいしけってい)」って一体何のことですか?

回答
破産手続開始決定とは、破産の申立てをした債務者に対して、裁判所が破産手続の開始を決定することをいいます。
申立てをすれば誰もが開始の決定をされるということではなく、破産手続開始の原因となる事実がしっかりと認められた場合にのみ決定されるのです。
つまり、自己破産をしたいと願っている債務者は、この決定がなされなければ自己破産することができないわけですね。
例えば、破産手続に必要な費用が足りない時などは破産手続開始決定はされません。
また、借金をクリアにするためには、破産手続開始決定の後に、免責手続を行わなくてはなりません。


質問30)「破産管財人(はさんかんざいにん)」って何をする人なんですか?

回答
債務者が破産の申立てをし、破産手続の開始が決定されると、債務者はその時点から破産者となり、自身の財産を管理したり処分したりする権限をなくします。
しかしこの時、破産者が何らかの財産(不動産や預貯金など)を所有している場合には、この財産を管理・調査・換金し、債権者などに公平に配当しなければなりません。
この役目を担うのが裁判所から選任された破産管財人となるわけです。
破産手続の流れの中心人物といってもいいでしょう。
破産管財人は一般的に、裁判所に登録されている弁護士から選ばれます。
誤解されやすいですが、破産管財人は破産者の代理人というわけではありません。
あくまで中立の立場であり、破産者の味方をするわけでも債権者の味方をするわけでもありません。
適正に円滑に破産手続を行うことを目的としています。

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