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貸与金を受けるか?

質問:貸与金制度は利用するべきでしょうか?

回答:司法修習生は、現在、無給ということになっています。 (改正するという話になっているようですが,全額給付にもならないようです)

その代わりに「貸与制」として、将来に返済する義務のあるお金を貸してもらえるという制度があります。

月額23万円程度ということですから生活費としては十分な金額といえるでしょう。 この貸与制を申請するかしないか、迷う人が多いようです。

この点については、結論から言ってしまえば、貸与制を申請して、お金を借りた方が圧倒的にオトクです。

私が、現在、修習生であれば、絶対に借ります。

その理由は以下の2点です。

理由1 貸与制は、ものすごく好条件であること

司法修習生は真面目ですから、「お金を借りる」ということについて、本能的に嫌悪感を示すのかもしれません。

しかし、現在の貸与制はものすごく好条件です。

① 無利息 ② 返済開始は修習が終了してから6年目から開始 ③ 10年間の分割返済 ④ 病気、災害、経済的困難な場合の返還猶予

社会経験のある方なら、こういう返済条件を見せられて 「お金貸すよ」 と言われたら、普通、詐欺だと思います。

なぜならば、こんな条件でお金を貸すというのは、一般社会では、「お金を差し上げます」と言っているのと同じだからです。

「こんな条件でお金を貸すと言って、なにか悪いことをたくらんでいるだろう!」 と、逆に、疑われるくらいの好条件です。

まずもって、無利息でお金を貸してくれるところなんて、普通はありません。

借金が怖いというのは、利息が増えるから怖いのであって、無利息の借金というものは、慈善事業にすぎません。

全く怖くありません。

次に、「5年間は返さなくてよくて、6年目から返済を始める」という点も、こんな好条件での貸付は、普通、絶対、ありません。

修習が終わったあと、かりに就職活動に失敗して事務所を何回か変わったとしても、5年も弁護士をしていれば、それなりにお金を稼いではいるものです。

また、「10年間で分割返済」というのも、夢のような好待遇です。

かりに、司法修習中に月額23万円×16月=368万円を貸与制で借りたとします。 これを、10年間で返すとなると、月額いくらを返すことになりますか?

368万÷10年÷12月=約3万円です。 毎月、たった3万円を返せばいい、ただそれだけすよ(笑)

報酬が安いことで有名な、国選刑事事件を月1件やれば、7万円から8万円にはなりますから、2ヶ月に1回、国選刑事事件をやれば、十分に返済できるという計算になります。

しかも、無利息なので、10年間で払い終えます。

こんなのは、全く借金返済のうちに入りません。

私は、たいていのことについては、最高裁の修習制度改革を批判するつもりですが、貸与制についてだけは、 「修習制度改悪というドブ川に舞い降りた、一人の天使」 だと思います。

この貸与制というやつは、給与制と、ほとんど変わりませんよ。

この条件の貸与制を悪く言う人は、頭オカシイです。

これは天使の制度です。 貸与制は、必ず申請しましょう。

絶対トクします。

理由2 修習中には修習や就職活動に専念することが最適行動だから

貸与制を申請するべき理由の2つ目は,修習中には,お金のことを気にせずに修習に集中することが,自分の人生にとっては最適だからです。

修習中にも、ある程度のアルバイトは認められているようなのですが、はたして、修習中にアルバイトをすることは、最適行動でしょうか?

私は、違うと思います。

修習中には、やはり、法曹実務をしっかりと勉強すること、また、しっかりと就職活動をして就職先をつかむこと、二回試験を問題なく合格することが最適行動なのです。

人生という長い目で見た場合、やはり、修習中には修習をすることが一番オトクだということです。

弁護士も、儲かる仕事ばかりではもちろんありません。

でも、弁護士になって、売れっ子になれば、300万円や400万円というお金は、場合によっては、一か月の仕事で稼いでしまえるお金です。

そう、実際、吉田は今年、一か月単位の売上は300万円よりは多いです。

そういう、「それなりの弁護士」になることができたのは、やはり、司法修習という人生経験で弁護士としての基盤をしっかりとつくったからだと思います。

貸与制の借金を払い終えるころというのは、弁護士15年目ということになると思います。

弁護士経験15年目の弁護士が「返済に悩むレベル」というのは、3千万から3億円というレベルです。

貸与制の300万円というのは、悩みというには少額すぎる金額です。

ゴーマンをかますというわけでもありませんが,

15年目の弁護士にとっては,300万というのは鼻クソです。

鼻クソのことで悩む必要は,普通は,ないと思います。

そういうわけで、悩むことなく、堂々と借金して、精一杯に修習を経験して、楽々と借金を返済してください。

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