就職活動について
回答:就職活動は、大きく分けて、
【1】
司法試験合格発表前
【2】合格発表後~司法修習開始前
【3】司法修習開始後~
の3つの時期に分けられると思います。
【1】司法試験合格発表前
サマークラークという形をとることが多いです。
東京の大規模な法律事務所がサマークラークをおこなうことが多いですが、採用人数は,全体からみると少数です。
サマークラークの選抜にあたっては、学歴、法科大学院の成績及びその他の資格等が大きなウェイトを占めます。
【2】合格発表後~司法修習開始前
日弁連の「ひまわり就職ナビ」サイトや各法律事務所等のホームページ等に就職関係の情報が順次公開され、また各地で合同説明会が行われます。
就職活動に参加するためには、新人を募集している事務所に履歴書や成績表を送って応募します。
法律事務所ごとの個別の説明会や面接は,平日に仕事が終わった夜6時頃から各法律事務所で行われることが多いです。
日中の修習を終えてから説明会や面接のために各法律事務所に向かうことになります。
なお、合同説明会は休日に行われることが多いです。
司法修習が始まる前に内定が出ると、就職活動を気にせずに司法修習をすることが出来るので、これらの時期に内定をもらった人は観光もかねて那覇、札幌、京都などの配属庁を申請することあります。
また、就職活動を気にしなくて良いので思いっきり修習に打ち込めるというメリットがあります。
【3】司法修習開始後~
司法修習開始後期間中に就職活動をする場合には、説明会や面接がある日には早く修習を切り上げないといけないこともあります。
また、興味のある分野について遅くまで残って勉強したり、平日の夜に行われる弁護士の勉強会等に参加させてもらったりすることも難しくなります。
さらに、修習から帰宅した後には就職情報を集め、履歴書等を作成しなければなりません。
また、就職活動の後半になってくると、二回試験の勉強も必要になり、就職がなかなか決まらない焦りと二回試験のプレッシャーがあるので、精神的に厳しいものがあります。
このような状況で選択型修習に打ち込むのは相当の根気が必要になるものと思われます。
もっとも、指導弁護に目をかけてもらって、指導弁護士の紹介先に就職が決まることもあるので、指導弁護士との関係は非常に重要になります。
このように、平日の夜に各法律事務所で説明会や面接が行われること、指導弁護との関係をきっかけとして就職が決まることもあること等の事情から、司法修習開始までに内定がない人は、就職希望地ないしその周辺地に配属庁の希望を出すことになります。
しかし、中には希望通りの修習地にはならずに、平日に休みをとった上で飛行機や新幹線を使って就職活動をしないといけない場合もあります。
なお、就職情報は、インターネットだけでなく、同期の友人や、また先輩法曹から得られることもあるので、人付き合いを大切にすることも重要です。
したがって、弁護士を志望する人にとっては、司法修習と就職活動は両立する事が可能ですが、早く就職が決まれば決まるほど修習に打ち込みやすくなるという関係にあります。
※ なお,69期司法修習生の実例では修習が終了した時点においても,なお30パーセントが就職できていない状況です。
全体が1800人だとすれば,修習終了時に540人が就職できていないことになります。
くれぐれも,就職活動をなめてはいけません。
裁判官、検察を志望する人は司法修習が就職活動に直結しますので、司法修習に力を入れれば入れるほど就職活動としても効果があるという関係にあります。
もっとも、全ての希望者が裁判官、検察官になれるわけではないので、保険として法律事務所に就職活動を並行して行う人も多いです。
なお,就職活動については姉妹サイトである「司法修習生のための就職活動マニュアル」で詳しく説明しているので,興味のある人は,こちらで勉強してください。
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