
ほめる練習をすること
      
 
さて、ほめることは、とても大事である、というお話をしました。 
        「えー、でも、私は、他人をほめたことがないから、ほめ方がわかりません」 
        という人は多いと思います。 
        「他人をほめるというのは、そういう才能のある人だけができるのではないでしょうか?」 
        と思う人も多いかもしれません。 
でも、安心してください。 
        司法試験に合格した、あなたであれば理解できると思います。 
        あなたに、こういう質問をしましょう。 
        「司法試験に合格するためには、特別な才能が必要なのでしょうか?」 
        この質問に対しては、ほぼ100パーセントの人がこう答えるでしょう。 
        「特別な才能は必要ありません。ただ、有効な努力を根気よく継続すれば司法試験に合格するでしょう」 
        そのとおりだと思います。 
        そして、それは、世の中に多くのスキルについての真理です。 
        ですから、ここで、私が 
        「ほめ上手になるには、特別な才能は必要ありません。ただ、有効な努力を根気よく継続すれば、ほめ上手になるでしょう。」 
        と言ったら、あなたは、それを「それはたしかに,そうかもしれない」と言うでしょう。 
「わかりました。努力をすれば、ほめ上手になれるということは、わかりました。でも、では、どういう努力をすればいいというのですか?」 
        という質問については、やはり、同じように、こういう質問をしましょう。 
        「司法試験の答案を書くことを上手になるためには、どうすればいいのですか?」 
        この質問に対しては、100パーセンではないかもしれませんが、多くの方は、こう答えるのではないでしょうか。 
        「答案を書くことを上手になりたいのであれば、やはり、数多く答案を書くことではないでしょうか? 
        実際に書いてはじめて、わかること、気づくことも多いのですから」 
そうだとすれば、やはり、私がこう言うことを否定できないはずです。 
        「ほめ上手になりたいのであれば、やはり、数多く、他人をほめることではないでしょうか? 
        実際に他人をほめてみて、はじめて、わかること、気づくことも多いのですから」 
そうです、いきなり、上手に他人をほめることはできません。 
        ほめ方は、練習しないと上手にならないものです。 
        しかし、逆に言えば、ほめ方は、練習すれば上手になるものです。 
        上手に他人をほめたいのであれば、まずは、ほめる練習をすることです。 
      













