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恐怖の二回試験

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他人を批判しない

司法修習生というものは、批判精神にあふれているものでして、本能的に、他人を批判したがるものです。
しかし、司法修習においては、他人を批判することは厳禁です。
なぜならば、批判された人間は、あなたのことを恨むからです。
なにか別の機会に、あなたに復讐するために、虎視眈々と機会をねらうことになります。
そうなると、お互いに悪感情をもったまま、無毛な悪口合戦に終止することになります。
まったく無益なことです。

 

「でも、正しい批判ならするべきではないですか?」
という人もいるかもしれません。
しかし、正しい批判が必要なのは、政治や経済、仕事のうえでのことであり、
人間関係上では、正しい批判もしてはだめです。
というか、
正しい批判こそ、してはいけません。

言い間違えではありません。
間違った批判なら、まだマシなのです。
誰も傷つきませんから。
自分がバカだと思われるだけで済みます。
正しい批判は最悪です。
正しい批判は、他人を傷つけるのです。
だからこそ、してはいけません。

たとえば、司法試験に合格する前に、勉強方法が間違っている人に対して、
「勉強方法が間違っているから、そういう勉強方法をしていると合格出来ないよ」
という正しい批判をしたとします。
そうすると、どうなりますか?
それはごもっともだとして、勉強方法をあらためるでしょうか?
あなたが予備校の先生だったら、相手さんはそうするかもしれません。
明らかに立場が上だから,相手も受け入れるかもしれません。
しかし、同列の存在,同じ受験生だったら、まず、相手さんは勉強方法をあらためません。
逆に、「批判をされた」として,あなたのことを恨むことになります。
人間は、正しい批判をされたときの方が傷つく動物なのです。

じゃあ、どうするか、ということです。
人間関係のスキルが上がれば、相手を傷つけずに、相手の行動を善導する方法もあります。
しかし、自分が、人間関係が上手ではない、ということを自覚しているならば、批判を一切口にしないのが得策です。
「え?じゃあ、間違っている勉強方法をしている人のことを放っておけと言うのですか?」
という疑問があるかもしれません。
そのとおりです。放っておきなさい。
他人がどうなろうが、他人の人生です。
あなたがそれに介入する理由がありません。
親切心かもしれませんが、自分が親切に思って勝手にしたことは、たいてい、裏目に出るものです。
漫画やテレビとは違うのです。
あなたの親切心が世界を救うことはありません。
誤解をまねくくらいなら、沈黙しなさい。

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