
かぐや姫弁護士…「弁護士のための」日本昔話
むかし、むかし、あるところに、弁護士の老夫婦が住んでいました。
        おじいさんは、ある日、裁判所に刑事弁護に行きました。
        そうしたところ、裁判所の敷地内の、弁護士レターケースの中で、ひとつ、黄金に輝くレターケースがありました。
        おじいさんが「なんだろう」と思ってレターケースを開けると、
        なんと、中から、小さくてかわいらしい新人弁護士が出てきたのです。
        「わたしは就職できなかった弁護士なのです」
        と、その小さな新人弁護士はいいました。
        「お願いですから、雇って下さい」
      おじいさんと、おばあさんには、まだ、勤務弁護士がいなかったので、この小さな新人弁護士を雇うことにしました。
新人弁護士は、債務整理、刑事事件、自己破産申立を、バリバリとこなし、1年で、刑事事件で無罪判決を勝ち取るほどに成長しました。
          「なんと、将来が楽しみな新人じゃ」
          ところが、新人弁護士は、最近、ふさぎこむことが増えました。
          「どうしたのじゃ?」
          おじさんが聞くと、新人弁護士は、
          「おじいさん、実は、私は、法テラスに本籍のある弁護士であり、最初の一年間、各地の弁護士事務所でスタッフ弁護士として養成されることになっているのです」
          「なんと、そうだったのか」
          おじいさんは、そういえば、以前に、法テラスから書類が来ていたけども、中身を読まずに捨てていたことを思い出しました。
          おじいさんは、日弁連と法テラスには、かかわらないことにしていたのです。
          「私たち、スタッフ弁護士は、あの月が満月になるころ、法テラスに帰らなければなりません」
          新人弁護士は、おじいさんが名残惜しいと、さめざめと泣くのです。
「しかし,帰ると言っても,新人弁護士よ,おまえには債務が残っておるぞ」
        と,おじいさんは,新人弁護士に,問いかけました。
        そうです,新人弁護士は,司法修習を貸与制で受けていたので,その債務があるのです。
        「債務はどうするのじゃ?」
        おじいさんが,新人弁護士に問いかけると
        「債務は,その……」
        新人弁護士は,バツがわるそうに
        「アディーレに相談しようかと…」
        
めでたし,めでたし。
          
      
        
















