
自分から望んだ独立の場合
もともと,自分が弁護士として独立開業をする気があった人が,自分で独立したくて独立するというパターンがあります。 
こういうケースは独立に成功することが多いです。 
もともと計画していたことなので予備知識も十分ですし,なにより,自分が独立をすることに前向きであり,やる気があります。 
独立を意識してから何年か独立資金を貯めていたのであれば,独立資金に困ることもありません。 
もっとも,望ましい独立のパターンです。 
自分から望んだ独立の場合には,あまり,吉田が注意をすることも少ないのですが,一点だけ言えば, 
        ボスと十分に独立について話し合いをすること 
        を推奨したいと思います。 
        
        まず,「独立をしたい」ということ自体について,ボスがそれを止めることはできません。 
        職業選択の自由がありますから,どんなにお世話になったボスであっても,「自分が独立します」と言ってしまえば,ボスは「そうか」としか言えません。 
        ただし,「独立する時期」については,少し考えた方がいいでしょう。 
        それほど大規模ではない,せいぜい弁護士5人くらいまでの事務所においては,アソシエイトが一人独立するというのは,事務所にとって,影響が大きいことです。 
        場合によっては,アソシエイトの代わりに,新規採用をしないといけないかもしれません。 
        
        弁護士業界の新規採用は,きちんとやろうと思えば1年半から2年もかかります。 
        ですから,「独立したい」ということをボスに言ってから,自分の後任がきちんと決まるまでは,事務所でそのまま仕事をするのが,社会人として当然の義務だと思います。 
        通常,後任を決めるまでの時間は,新規採用で補充するならば1年,中途採用でも半年は必要だと思います。 
        
        東京,大阪と異なり,地方では,そもそも弁護士を中途採用で補充するということ自体が不可能であったりします。 
        
        ですから,ボスにお世話になったという気持ちがあるのであれば,
        「独立を宣言してから1年は待つ」
        というのが事務所に迷惑をかけないために必要なことです。    














