運営元をチェックしよう

事前準備

修習の勉強箱

運営者情報

恐怖の二回試験
HOME > 恐怖の二回試験 >二回試験の体験記

二回試験を振り返った感想

二回試験をふりかえって

二回試験を振り返った感想を述べてみます。

民事弁護科目では「優」の評価を幸いながらいただくことができました。
他の記事で挙げた法律構成や損害論はあながち間違ってはいなかった、ということだと思っています。
もっとも、法律構成、損害とも今となってはもう少し検討を深めてもよかったのかなとは思います。
法律構成については、確かにボス弁とイソ弁のやり取りで類似ケースが賃貸借契約と認定された判例が引用されていました。私は、これを問題文による誘導であると理解して、その判例のロジックに素直に乗っかり、本問を賃貸借契約であると認定した上で、法律構成を組み立てました。
しかし、実務で似たようなケースに当たった際に(実際に百貨店のケース貸しの事案にあたったということがありました。)、このようなケースを賃貸借契約と認定することは中々困難であるということを目の当たりにしました。
そうすると、どこまで解答として書くかは別問題としても、本当に賃貸借契約でよかったのか、提示されていた判例を素直に使用してよかったのかは疑問が残るところではあります。
仮に賃貸借契約の構成で書くにしても、判例を引用し、当然に認定していくだけではなく、問題文事情をもっと拾えばよかったかな、という気がしています。
私は、確か、ケースなどがその場所に固定されて店の運営がされていること、販売場所が被告店舗とは一見して明らかに区切られていたこと、オリジナルのロゴを使用していたこと、といった事情位しか認定しなかったような記憶がありますが、反対利益として、レジ・従業員の一部が共通であること、出入口が共通であることといったものもあり、これらについても言及した上で、賃貸借契約なら賃貸借契約と認定すればよかったと思っています。
また、今となってはですが、本問で賃貸借契約が適切な構成であったのかは疑問ですし、誘導がなければもっと悩んでいたかもしれません。
反面、ここに悩み過ぎて時間を取られ過ぎると、問題の数が多かったという事情がある以上、時間切れなどのおそれもあった問題です。どこまで踏み込むか、非常に悩ましい問題だったと言えます。
また、損害についても、私はあくまで民事弁護科目である、という前提で、依頼者が主張できるものすべてを損害であると主張しました。これは最終準備書面ではなく、訴状を起案していて気付いたことですが、訴状のように、端的に記載しようとすると、損害論が非常にややこしくなります。
実務では、依頼者に対して「さすがにここは請求できませんよ」といったアドバイスをすることも重要なことを学びました(正直、研修でこの視点は中々得られませんでした。)。結果が良かったのでなんともいえないところではありますが、ここも法的に適切な範囲、すなわち被告が予見できた損害について、どこまで認定できるか、担当者と依頼者のやり取りなどからもうちょっと詳細に認定してもよかったのかな、という思いがあるところです。

いいね,してください。