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恐怖の二回試験
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失敗のポイント‥司法修習生最後の難関

失敗のポイント

二回試験に失敗するポイントを挙げます。
気をつけてください。

1 体調の管理、事故で失敗するパターン

2 やる気がなくて失敗するパターン

3 良い点をとろうと気負って変なことをしてしまうパターン

4 他人に全く相談しなくて失敗するパターン

5 意外と大丈夫な「頭悪い人」

 

1 体調の管理、事故で失敗するパターン

二回試験に実際に落ちた人というのは、どういうイメージでしょうか?
成績がもともと悪い人、というイメージでしょうか?
ところが、実際に二回試験に落ちた人の話を聞くと、実際に二回試験に落ちた人の多くは、 頭が悪いわけでもなく、逆に、平均よりも優秀な人が多い、ということです。
じつは、二回試験に落ちた理由の多くは、
● 二回試験のときにインフルエンザにかかって41度の熱を出しており、とうてい試験を受けられる状態ではなかった。
● 二回試験の期間中に交通事故に遭ってしまって病院に入院していた。
● 盲腸で緊急入院していた。
というように、病気や事故のために、そもそも二回試験を全部受けることができなかったという事情が大半のようです。

その逆に、「そもそも、いくら勉強しても頭が悪くて合格できない」という人は、ほとんど見当たらなかった、ということのようです。
頭が悪すぎる、という人は、そもそも司法試験には合格していませんからね…

これをまとめますと、
1、バカだから二回試験に合格できない、という人はいないので安心してください。ちゃんと勉強すれば合格します。
2、一方、普段の成績が良いという人も、油断してはいけません。二回試験に合格するかしないかは、成績とは無関係な、病気や事故のようなアクシデントによって決まってきます。

成績は平均以上だ、という人は、体調の管理、アクシデントの回避のために、徹底して守りに入りましょう。

 

2 やる気がなくて失敗するパターン
バカだから二回試験に合格できない、という人はいない、ということを申し上げました。
ただし、やる気がなくて勉強しない人は合格できません。

これには2つのタイプがあるようです。

1つのタイプは、もともと成績が悪くて「自分なんかどうせ合格するはずがない」と、あきらめている人です。
あきらめてはいけません!
たしかに、クラスのなかには、飛び抜けた優秀な人もいるでしょう。優秀な人と自分を比較したら
「自分なんか……」
と思う人もいるかもしれません。
しかし、少なくとも司法試験を合格したレベルの人であれば、ちゃんと勉強すれば二回試験に合格できます。
足りないと思うのであれば、必死に勉強しなさい!

もう1つのタイプは、二回試験のストレスや緊張感に精神的に耐えきれず、ウツになってしまうタイプの人です。
こういうタイプの人は、もともと、とても頭が良くて優秀な人に多いのです。
優秀なだけに、二回試験のことを、あれこれ複雑に考えてしまって精神的に疲れてしまう、というタイプです。
ウツになる、というのは、根暗とか引きこもりとか、そういう特別な人だと思っていたら間違いです。
実際には、社交的で明るい人もウツになることもありますし、強気で押し出しの強い性格の人もウツになることもありますし、スポーツマンもウツになることもあります。
誰でもウツになる可能性がある、ということを認識してください。
あなたも、なるかもしれません。

ウツになることを防止するためには、
● 夜更かしはあまりしないこと
● 毎日、日光に十分に当たること
● 適度に身体を動かすこと
が有効だとされています。

いずれも、二回試験の受験生には、少し難しいかもしれません。
そこで、
● 夜遅くではなく、朝早く起きて試験勉強をすること。
● 部屋のなかでできる筋力トレーニングをすること

などがおすすめです。
筋力トレーニングは、ダンベルを買ってくる方法もありますが、ペットボトルに水を入れてダンベルの代わりにする、という簡易な方法でも、十分に筋力トレーニングになります。

3 良い点をとろうと気負って変なことをしてしまうパターン

裁判官、検察官、を希望している方が気をつけるべきなのは、二回試験の本番で良い成績をとろうという気持ちが強いあまりに、本番で、
● 普段ならやらないような変わった法律論
● 誰もやらないような珍しい法律構成
に、飛びついてしまう、という失敗パターンです。

こういうタイプの方は、非常に勉強熱心で、また、成績優秀で自信のあるタイプが多いと思います。
もちろん、そのこと自体は、とても良いことなのですが、自信があるあまりに、
「他の人には見えないであろう問題文の真の意図が私にだけは見えた!」

というような熱狂的な確信をもってしまうと、危険な方向に走ってしまうのです。

二回試験は、答案構成のレベルでは、平均的な司法修習生が回答できるようにつくられています。
ですので、答案構成のレベルでは、過半数が同じ構成をとることになります。
もしここで、「他の平均的な司法修習生が全くとらないような答案構成」をとったすれば、それは「出題者の想定外の答案」となり、
その答案構成に対して配点が存在しない
という可能性があるのです。

ですので、二回試験の本番では、つとめて冷静に、「変わった法律論」には飛びつかないように気をつけましょう。

優秀で余裕のある人は、「大胆な答案構成」で勝負をするのではなく、
● 一つ一つの論証を丁寧に書くこと
● わかりやすい表現をすることに注意すること
● 字を丁寧に書くこと
というような、細かい緻密さに心血をそそいだ方が良い結果を得ると思われます。

4 他人に全く相談しなくて失敗するパターン

集合修習あたりになってくると、修習生の間では、過去の優秀答案とか、過去問の情報などが、飛び交うことになります。
ときには、変な噂、たとえば、
「今年の二回試験の問題は、ズバリ、これが出るらしい」
「○組の教官が、二回試験では、ここが出ると言ったらしい」
というような噂も飛び交うこともあります。
ただ、私の経験では、「二回試験では〇〇が出る」という噂は、当たったことがありません。変な噂は無視しましょう。

ただし、人並み程度には、二回試験の情報にも接するべきですし、友人知人の間で試験勉強の話をすることは、決して無駄ではありません。
「そういうことを見落としていた」
ということは、人間、よくあることです。

また、独善におちいるのも、よくありません。
もし、普段の起案の評価が、自分が思っていたのと、かなり違いがあるようであれば、自分の認識のどこかが間違っているのかもしれません。
友人、知人を通じて、他の人の優秀答案をみせてもらうなり、なんなり、情報収集にはつとめるべきです。

5 意外と大丈夫な「頭悪い人」

単純に、バカだから二回試験に合格できない、という人は、まずいない、ということは、すでに何回か、お話しました。

「私はアタマ悪いです」
と自覚している人は大丈夫です。
アタマが悪いなりに、必死で二回試験の勉強をすれば、そうそう落ちるものではありません。

アタマが悪いと自覚していながら、勉強しなかったのであれば、それは、二回試験に落ちるのも、自業自得、というものです。

単純に「アタマが悪い」ということよりも怖いのは、
独善におちいっている
というケースです。

たとえば、普段の起案の評価が、自分にとって意外に悪かったというときに、「なぜ評価が悪かったのか?」という原因を探るのではなく、
「評価が悪かったのは、採点者がバカだからだ」
と決めつけてしまい、自分を改善する機会を逃す、という間違いがあり得ます。

独善におちいる、というのは、二回試験に合格するかしないか、ということよりも、自分の人生全般にとって、よくない兆候です。

世界には、自分の知らないことも多く、自分が学ぶべき対象は多いものです。
若い人は、未知の知識や考えを、どんどん積極的に取り入れるべきです。

「自分は、すでに世界の全てを知ってしまったのだ」
というような、変な独善は、まず100パーセント間違っています。
心当たりがある人は気をつけましょう。

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