運営元をチェックしよう

事前準備

恐怖の二回試験

修習の勉強箱

運営者情報

開始!
HOME > 開始! > 弁護修習について

弁護修習の注意点2 自己紹介を準備しておくこと

自己紹介の重要性
実務修習に行くと,人前で「自己紹介」をする機会が増えます。
たとえば,裁判所,検察庁に始めて出勤するときには,班の全員が修習担当の方々に自己紹介をすることになります。
自己紹介というものも,なかなか深いところがあります。
なにも準備せずに,突然,自己紹介をしろ,と言われると,たいていの人は,
なにも話せないか
関係のないことをダラダラしゃべって不快感をあたえたり
変なウケをねらって,墓穴を掘る
ことが一般です。

ですので,実務修習に入る前に,一度,自分の自己紹介を確立しておきましょう。

これは,世間一般でも同じです。
とくに転勤の多い大企業などでは,最初の自己紹介で,どれだけ自分の存在感をアピールできるかは,出世にかかわる重要事です。

自己紹介の定番
自己紹介の定番ネタは,
自分の名前を利用した小話
です。
たとえば,私の同期の「末富」さんは,スエトミ,と発音するのですが,司法修習生の前に社会人の経験があったので,定番ネタを構築していました。
彼女の自己紹介は,
「末富は,末の富,という漢字を書きます。どうも,お金には縁がなさそうな名前です」
というものでした。
軽い笑いがとれるうえに,「ああ,お金に縁がなさそうな末富さんですね」ということで,名前を覚えてもらえるので,なかなか,考え込まれた自己紹介だと思います。

そうしたところ,修習中に,家庭裁判所に配属になったときに,家庭裁判所の調査官の方で,遠富と書いて,トオトミさんと発音する女性の方がいたのですが,彼女の自己紹介は,
「富みには遠いと書いて,遠富です。どうも,お金持ちにはなれなさそうに思います」
というものであり,これもなかなか,短い時間で,名前を覚えてもらえる,立派な自己紹介だと思いました。

小話の結論を「お金には縁がなさそうです」というところにもっていくと,上品にまとまることが多いようです。

そういうわけで,もし,自分の名前を利用した小話ができるなら,のぞましいでしょう。

小話まではいかなくても,たとえば,自分の名前の意味とか,どういう理由で両親が自分の名前をつけたのか,という話をすると,上品で印象に残る自己紹介となるように思います。

名前を使った小話の作り方の例

吉田の場合には,「吉田」という姓は,どう考えても,おもしろい小話はできないのですが,「泰郎」の「泰」の字は,ちょっとおもしろいかもしれません。
というのは,泰という字には,漢字発祥の中国では,
川で溺れている人をすくい上げて救助する大きな神様の手
という,きわめて,特異な意味があるのです。
「泰」の字の本来の意味なんて,誰も知りませんから,これをつかって小話ができるかもしれません。
「泰の字には,川で溺れている人をすくい上げて救助する大きな神様の手という意味があります。私も,他人を救えるような頼もしい人間になりたいと思いますが,その前に二回試験では,落ちないように,自分を救いたいと願っています」
というようなまとめ方をすると,名前ネタ+希望+軽い自虐,ということで,うまくまとまった自己紹介になるでしょうか。

自分の名前の漢字の本来の意味を調べたかったら,白川静さんの漢字の本を読んでみましょう。

「白川静さんに学ぶ漢字は楽しい (新潮文庫)」

「字統」などは,とてもエキサイティングな本です。

ツイッター