即独する場合に考えること
司法修習を終えてから,すぐに独立をする,という即独の方も最近は増えてきたようです。
即独で事務所を軌道にのせる,というのは,やはり,どちらかというと厳しい状況であると思います。
ただし,社会人の経験がある方,もともと独立する気が強い方なのであれば,できないこともないと思います。
ただ,「法律事務所に就職したかっかたが,できなかったので即独」という,消極的な即独は,できたら避けたいと思います。
いわゆるノキ弁でもいいので,何年か,実務経験を経てからの独立の方が,より望ましいと思います。
かといって,もう即独してしまいました,という方の場合には,そう言ってもしょうがないので(笑)
なるべく「ケガをしないため」のアドバイスをしますと,
即独の場合の本質的な問題点は,
「まずいことをしていることに自分一人では気がつかない」
「ストップしてくれる人がいない」
ということです。
事務所に勤務しているときには,アソシエイトが不始末をしてしまうと,事務所のダメージになりますから,本当にまずいことや,社会人としての常識に外れたり,モラル的に問題になるような行為については,ボスが止めてくれます。
しかし,即独している自分を止めてくれる人はいません。
ですので,即独した方としては,
自分の相談相手を確保する
積極的に先輩弁護士に質問しまくる
ということを,おすすめします。
同期同士でメーリングリストをつくるとか,フェイスブックで相談できるグループをつくるとか,まず,友達同士で,相談できる体制をつくることは大事でしょう。
ただ,新人,若手だけでの意見交換は,気軽かもしれませんが,しばしば独善的になってしまったり,誰にも回答ができなかったりすることもあります。
ですので,先輩弁護士に相談相手になってもらえるように,積極的にアプローチしていくことも重要です。
世の中には,親切な人もいるようで,きちんと礼儀をわきまえれば,新人のしょうもない相談にも付き合ってくれる先輩弁護士さんはいたりします。
たとえば,各地の弁護士会の研究会や,委員会の活動に参加してメーリングリストで質問するのも有効です。
とくに,刑事弁護委員会や,破産・倒産関係,消費者問題関係では,全国的なメーリングリストがあったりしますから,そういうメーリングリストに加入して,疑問点を広く聞いてみたりするのも有効でしょう。
あまり初歩的なことを質問すると,
「ちゃんと調べてから投稿しろ」
「愚痴を書いてどうするのか」
「人に聞く前に,自分の考えをまず示せ」
などというように,嵐のような突っ込みを受けたりしますが,そこで鍛えられのも新人にとっては必要なことだと思います。
ブライト艦長的に言えば,
一度も傷つかずに立派な弁護士になった者などいるものか,ということです。