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カバン1個の原則

Trouble

弁護士にとって、事件の記録はなによりも大事です。

事件の記録を紛失するということは、弁護士にとって、最大の恥ですから、絶対に失くしてはいけません。

普段から、「自分は忘れ物が多い」と自覚している人は、事件記録を失くさないために、自分にルールを課しましょう。

司法試験的な表現でいえば、中核である「事件記録を失くさない」という目的を達成するために、
制度的保障
をつくり、制度的保障を意識して守る、ということです。

ここで、そもそも、事件の記録が、なぜ紛失するのか、という理由を考えましょう。
もし、事件の記録の場所がわからなくなっても、事務所の中の、どこかには必ずある、というなら、問題は、それほど深刻ではありません。

事務所の中をひっくり返して探せば、必ず、どこかにあるはずだからです。

事務所の中から事件記録がなくなってしまったら、深刻な状態です。

こういうときに「紛失」となるのです。
したがって、「事務所の中から事件記録を出さないかぎりは、紛失はあり得ない」のです。

では、どういうときに、事務所の中から事件記録を出すのでしょうか。

典型的なのが、「裁判のために裁判所に持っていく」という状況です。
そして、裁判所に記録をもっていって、裁判所に事件記録を置き忘れる、あるいは、裁判所から帰る途中の電車や店舗の中に置き忘れてしまうわけです。

ここで、「置き忘れをしない」ための制度的保障が必要です。
それは、カバンを1つだけにまとめる、という制度です。

カバンを2つ持ち歩いていると、つい、人間は、
「あ、カバンどこ置いたっけ?あ、あったあった!」
と、1つ目のカバンだけに目がいってしまって、2つ目のカバンのことを忘れてしまうのです。
ですので、2つ目のカバンを持ち歩くのは危険です。

カバンが1つしかなければ、さすがに置き忘れません。

まとめ
事件記録を置き忘れないために、持ち歩くカバンは1つだけにする