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ファックスの配信先を間違える

Trouble

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司法研修所では、ファックスの送り方の授業はおこないません。
また、弁護修習のときにも、修習生にファックスを送信させることは、通常はありません。
ですので、新人弁護士となった方の大半は、ファックスを送信した経験に乏しいでしょう。
「ファックスを送信するなんて簡単なことだ。書いてある番号のとおりにボタンを押せば、それでいいのだろう」
と、思うかもしれません。
たしかに、ファックスを送信することは、「むずかしいこと」ではありません。
ただ、ここで問題なのは、「ファックスは100%間違いなく送信することが求められている」
うえに、「ファックスの送信を間違えた場合には、取り返しのつかない被害が発生する可能性がある」
ということです。

もっとも、してはならない間違いは、依頼者に送信するべき打ち合わせのファックスを
裁判の相手方の代理人をしている弁護士(以下「相手方の弁護士」といいます。)に送信してしまうことです。
これは、依頼者の秘密を守るという義務に、まっこうから反するばかりか、ファックスの内容によっては、このことが原因で裁判に敗訴してしまう、という危険性すらあるミスです。
また、このような凡ミスをした場合には、相手方の弁護士に
「さきほどのファックスは忘れてほしい」
と、詫びをいれなければならなくなります。
おそらく、相手方の弁護士は同情して、
「まあまあ、先生も、お忙しかったのでしょう」
と、内緒にしてくれるでしょう。
でも、あなたは、ここで、相手方の弁護士に「借りをつくってしまう」ことになるのです。

こういうミスは、もちろん、あってはならないことではありますが、発生の危険性は、常にあります。
なぜならば、みなさんが使っている、訴訟記録の表紙には、通常、依頼者の名前、電話番号、ファックス番号の下に、相手方の弁護士の名前、電話番号、ファックス番号が書いてあるからです。
そして、弁護士は、仕事をすすめるにあたって、依頼者に書類をファックスする回数と同じくらい、相手方の弁護士にもファックスをするものだから、です。
したがって、仕事が繁忙をきわめているとき、ふと、「自分としては依頼者にファックスしているつもりで、相手方の弁護士のファックス番号を押してしまった」ということが、ありえるのです。

このようなミスを防止するために、
ファックス番号は、必ず、2回確認すること
です。

また、自分が、そそっかしいと自認している人(私もそうですが)は、
ファックス番号を声に出して確認すること
も励行したいものです。

なお、類似のミスに、

  • ファックス番号を押すつもりで、電話番号を押してしまったため、ファックスを送ることができなかった
  • ファックスを、すでにしたのか、まだしていないのか、わからなくなってしまった
  • 帰宅するときに、ファックスの電源を切ってしまう(ファックスを受信するため、ファックス機の電源は24時間つけっぱなしにしておくべきものです)

というミスがあります。