
新人採用の特殊性

中途採用の場合には,まさに 
「うちの事務所では,交通事故の案件のできる弁護士が1名必要なんだけど?」 
「あ,それ,自分ができます。●●事務所で,交通事故の処理を30件やりましたんで」 
というように,雇用側も必要なスキルを具体的に示しやすいし,労働者側も「自分にできるスキル」を示しやすい。案件の経験の有無,スキルをいえばよいからである。 
たとえていえば,市場での野菜の売買のように,取引は一瞬で成立する。 
教訓 
        中途採用は,スキルの売買だ 
ただ,新人採用は中途採用とは異なり,こういう,「スキル採用」の考え方はダイレクトには適用できない。 
        修習生がダイレクトに 
        「私を採用したら今すぐに事務所が発展しますよ」 
        ということは,さすがに言えないのである。 
        なぜならば,どんなに優秀な修習生であっても,最初から一人で実務ができるはずはなく,最低1年~2年くらいの実務教育が必要となるからである。 
        したがって,採用する側も,そもそも「今すぐ」事務所の即戦力になることを期待してはおらず,1年~2年後には成長して,事務所の戦力となってくれることを期待している。 
        したがって,採用側は,新人採用にあたっては「1年~2年後には成長して事務所の戦力となること」を期待して採用活動をおこなっている。 
        そのため,採用側は現在の能力よりも,ポテンシャル(潜在能力)に着目する。 
        新人採用はポテンシャル採用だと言われるゆえんである。 
教訓 
        新人採用は,ポテンシャル(潜在能力)を買うのだ 
      
      
        
















